2015年02月27日 15:00 〜 16:00 10階ホール
『吉田昌郎の遺言-吉田調書に見る福島原発危機』刊行会見 船橋洋一 日本再建イニシアティブ理事長

会見メモ

日本再建イニシアティブ(RJIF)の船橋理事長が、吉田調書を読み解いた『吉田昌郎の遺言-吉田調書に見る福島原発危機』の刊行(自費出版)にあたり会見した。
司会 川村晃司 日本記者クラブ企画委員(テレビ朝日)
日本再建イニシアティブHP


会見リポート

日本では「危機」の研究が足りない

泉 宏 (時事通信出身)

「吉田調書は教訓のデパート」「読めば読むほど深い洞察とヒントがある」―。

 

3・11(東日本大震災)から4年。政府や国会に先駆け、大震災1周年に合わせて福島第一原発事故についての「民間事故調報告書」をプロデュースした船橋氏が今回、昨年9月に政府が公表した「吉田調書」を徹底検証して『吉田昌郎の遺言-吉田調書に見る福島原発危機』を刊行(自費出版)した。

 

筆者は「本人が絶対に公表しないよう求めた」同調書に収められた“生の声”から「伝えようとしたことの結晶を取り出す」ことで、故吉田昌郎所長の“遺言”と位置付ける。

 

死の恐怖に耐えて「東日本壊滅」を食い止めた現場責任者の証言から得られたのは「危機が大きければ大きいほど人間のリーダーシップが重要」との教訓。経験もマニュアルもない過酷事故への対応の核心は「リーダーの人間力」という分析だ。

 

「小さな安心を求め過ぎて、大きな安全をおろそかにする」「日本は今もなお、原発過酷事故の時の緊急対応部隊を持っていない」と指摘する船橋氏は、「日本では危機の研究が足りない」と憤る。「一番重要なのは“危機検証”」との主張だ。

 

控室での揮毫は「検証なくして真実なし 真実なくして教訓なし 教訓なくして備えなし」だった。


ゲスト / Guest

  • 船橋洋一 / Yoichi Funabashi

    日本 / Japan

    日本再建イニシアティブ理事長 / Chairman, Rebuild Japan Initiative Foundation (RJIF)

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