会見リポート
2015年02月02日
14:00 〜 15:00
10階ホール
エイブラハム・クーパー サイモン・ウィーゼンタール・センター副所長 会見
会見メモ
国際ユダヤ人権組織「サイモン・ウィーゼンタール・センター」のエイブラハム・クーパー副所長が、過激派組織「イスラム国」が日本人人質を殺害したと公表した事件やテロリストのネット、ソーシャルメディア活用などについて話し、記者の質問に答えた。
司会 中井良則 日本記者クラブ専務理事
通訳 宇尾真理子(サイマル・インターナショナル)
会見リポート
「憎悪と技術」の結合に警鐘
船津 靖 (共同通信国際局次長)
「もし異端審問時代のスペインにナチスの宣伝技術があったら、ユダヤ人は1人として生き残れなかったろう」―ユダヤ系人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センターの副所長でラビ(ユダヤ教指導者)のエイブラハム・クーパー師は会見の冒頭、ナチス戦犯の追及に生涯をかけたウィーゼンタールの言葉を紹介した。
「デジタル・テロリズムと憎悪」の問題に20年以上取り組んできたクーパー師は、「イスラム国」に殺害された後藤健二さんの遺族への弔意を表明した後、「憎悪と技術」がはらむ危険に警鐘を鳴らし、「イスラム国」がいかに巧みにツイッターなどを使いこなして資金や人材の調達、指揮系統の運用に利用しているかを力説した。
アウシュビッツ解放50周年だった20年前、クーパー師の知人で強制収容所の生存者サムエル・ピサール弁護士にエルサレムでインタビューした時のことを思い出した。ピサール氏は広島訪問時に「こんなすさまじい破壊技術と野蛮なイデオロギーが結合したらと考え戦慄した」と語っていた。「憎悪と技術」結合への危惧は、ホロコーストを経験したユダヤ人だけのものではあるまい。
ゲスト / Guest
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エイブラハム・クーパー / Rabbi Abraham Cooper
アメリカ / USA
サイモン・ウィーゼンタール・センター副所長 / Associate Dean, Simon Wiesenthal Center