2015年01月23日 11:00 〜 12:00 10階ホール
シベリウス生誕150年記念 記者発表

会見メモ

交響詩「フィンランディア」で知られるジャン・シベリウスの生誕150年に際し、フィンランド放送交響楽団首席指揮者のハンヌ・リントゥさんと日本シベリウス協会会長で愛知室内オーケストラ常任指揮者の新田ユリさんがシベリウスの魅力について話した。また、東京都交響楽団員による弦楽合奏曲「アンダンテ・フェスティーヴォ」の演奏も行われた。
司会 小栗泉 日本記者クラブ企画委員(日本テレビ)
通訳 宇尾真理子(サイマル・インターナショナル)

日本シベリウス協会HP


会見リポート

シベリウス生誕150周年 「自然」と融和する音楽に現代性をみる

池上 輝彦 (日本経済新聞編集委員)

フィンランドの国民的作曲家ジャン・シベリウスが今年生誕150周年を迎える。チェコのドボルザークのような民族ロマン主義の国民楽派としても聴けるが、そうしたアプローチだけでは理解しきれない作品も多い。「シベリウスの音楽をもっと自然に捉える時が来た。国家主義的オーラや取るに足らない神話を取り除きたい」とリントゥ氏(写真右)は語り、記念公演が続く今年、新たな作曲家像が生まれる可能性を示した。

 

新田ユリ氏は日本人とシベリウスの音楽との親和性を指摘した。フィンランドもかつて自然崇拝の多神教だったことを挙げ、「自然との距離の感覚が合う」と言う。渡辺暁雄指揮の日本フィルハーモニー交響楽団が1962年に世界初のステレオ録音で「交響曲全集」を出した史実も挙げた。

 

両氏とも「孤高」「シンプル」などの言葉で作品を語った。北欧の自然描写ではなく「自然も人間も芸術家も一体化」(リントゥ氏)、「同じことが2度出てこない一筆書き」(新田氏)との指摘が興味深い。東京都交響楽団員が弦楽合奏曲「アンダンテ・フェスティーヴォ」を演奏し、その研ぎ澄まされた音楽が世界中で愛される理由を伝えていた。


ゲスト / Guest

  • ハンヌ・リントゥ・フィンランド放送交響楽団首席指揮者、新田ユリ 日本シベリウス協会会長、愛知室内オーケストラ常任指揮者 / Hannu Lintu, Chief Conductor of Finnish Radio Symphony Orchestra / Yuri Nitta, President of the Sibelius Society of Japan

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