2014年09月26日 14:00 〜 15:15 10階ホール
吉野直行 アジア開発銀行研究所(ADBI)所長「成長戦略には何が必要か 現場からの視点」⑪

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会見リポート

中国が未進出の金融分野に日本の勝機が

川北 隆雄 (東京新聞出身)

懸念されている中国経済のバブルには、為替制度の改革で対応できると言う。これまでは通貨・人民元の米ドル連動比率が高く、経常黒字などで米ドル、ユーロなど外貨がたまり過ぎ、それが人民元の増発を生み、バブル状態が生じたと解説する。今後は4年半をかけて、人民元の米ドル連動比率を適正水準に下げるべきだとの主張だ。


その中国と日本の、ASEAN諸国に対する影響力を比べると……、という質問には「圧倒的に中国が大きい。比べること自体が無理」との答え。では、日本に勝機はないのかというと……。「日本は各国に生産のネットワークを構築してきており、それを着実に進める必要がある」「中国はまだ、金融の面では進出していないので、その分野に注力すべきだ」とアドバイスする。


日本経済自体の再建の手段としては、「ふるさと投資信託」を提唱する。これは、地域に密着したファンドで、地ワインや地元の風力発電など成長分野のプロジェクトへの出資を募るもので、全国に約3000あるそうだ。「ワインや発電用風車など投資対象が目に見えることが強み」と言う。ふるさとに根付いてくれるだろうか。


ゲスト / Guest

  • 吉野直行 / Naoyuki Yoshino

    日本 / Japan

    アジア開発銀行研究所(ADBI)所長 / Dean of the Asian Development Bank Institute (ADBI)

研究テーマ:成長戦略には何が必要か 現場からの視点

研究会回数:11

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