2014年06月18日 10:30 〜 11:30 宴会場(9階)
ダニエル・ベア 米国務省 欧州安全保障協力機構(OSCE)担当特別代表(大使) 記者会見

会見メモ

日・OSCE共催会議に出席のため来日した、米国のベアOSCE担当特別代表が会見した。 5月のウクライナ大統領選で千人を超える監視団を派遣するなど、ウクライナ情勢をめぐるこれまでのOSCEの活動などについて説明した。

司会 土生修一 日本記者クラブ事務局長
通訳 西村好美(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

ウクライナ危機で再び注目 大統領選に監視団派遣、「公正選挙」を実施

三好 範英 (読売新聞国際部編集委員)

OSCEの前身、全欧安保協力会議(CSCE)という名前を、頻繁に耳にした時期があった。90年代初頭、冷戦崩壊後の新たな欧州安保の枠組みが模索されていた頃だ。しかし、欧州の仲間入りを切望していた東欧諸国にとって、軍事力の裏付けを持たないCSCEは頼りない制度だった。北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大が焦点となり、CSCEの存在感は薄れた。


ウクライナ危機でOSCEに久しぶりに光が当たった感がある。5月25日の大統領選挙では1000人以上の監視団を送り、「同国では最も自由で公正な選挙を実現した」(ベア氏=写真左)。監視員が拘束されても、「宣伝戦の中で監視員が客観的な現地情勢を報告するだけでも意義がある」(同)としっかりと役割を果たしている、という。


筆者は、NATOとOSCEの兼ね合いについて興味があったが、「軍事同盟と国際協力組織という全く性格の違う組織」(ザニエル氏)であることを再認識した。2つの機能がうまくかみ合えば、効果的な平和の実現が可能なのかもしれない。



(このリポートは、6月16日開催の
ランベルト・ザニエル・欧州安全保障協力機構(OSCE)事務総長会見との統合版です)


ゲスト / Guest

  • ダニエル・ベア / Daniel Baer

    アメリカ / USA

    米国務省 欧州安全保障協力機構(OSCE)担当特別代表(大使) / (Ambassador) the U.S Representative to the Organization for Security and Cooperation in Europe (OSCE)

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