2014年05月16日 13:00 〜 14:30 10階ホール
シリーズ研究会「中国とどうつきあうか」毛丹青 神戸国際大教授

会見メモ

作家で神戸国際大学教授の毛丹青氏が会見し、主筆を務める中国語の文化雑誌「知日」の創刊(2011年1月)から現在までを振り返った。自分たちの感性で日本のライフスタイルを紹介することで、中国の若者に支持され、ビジネスとして成り立つことを示すことができた、と述べた。

司会:坂東賢治 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)


会見リポート

「反日」の時代だから『知日』が売れる

杉山 祐之 (読売新聞論説委員)

反日か、親日か。こんなレッテルは、多くの中国人にとって、あまり意味がない。「打倒小日本」と叫ぶ青年がAKB48に夢中だったりする。


とはいえ、いまの世に、あえて『知日』という名の日本専門月刊誌を中国で出し、「ビジネスとして成り立っている」と言えるのは、すごい。


創刊は、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件から間もない2011年1月。「反日デモがなければ、『知日』は生まれてこなかった」と話す。反日の嵐の中でこそ、「ありのままの日本」を知りたいという、「知日」市場が広がっていると見た。


制服、猫、鉄道、断捨離……中国人の「虫の眼」で、近距離から、複眼的にとらえた日本のナマの姿を再生し、成功した。見込みは当たった。


逆説的な発言を、もう1つ。「日中関係が一番よかった時期に、『知日』はなかった」。「日中友好」時代の1つの真実をすくい取っている。


1962年、北京出身。ここまでの人生のほぼ半分を日本で過ごし、日本全国を旅したことも。


それにしても、『知日』がなぜ売れるのか。


「いまの日本文化は、とてつもなく大きな拡散力を持っている」。はっとさせられる言葉だった。


ゲスト / Guest

  • 毛丹青 / Mao Danqing

    中国 / China

    神戸国際大学教授 / Professor of Kobe International University

研究テーマ:中国とどうつきあうか

研究会回数:8

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