2014年01月24日 13:00 〜 14:30 10階ホール
研究会「2014年 経済見通し」関志雄 野村資本市場研究所シニアフェロー

会見メモ

野村資本市場研究所の関志雄・シニアフェローが、「中国経済の現状と課題―チャイナリスクは克服できるかー」と題して話した。中国は、中所得の罠と市場化への体制移行の罠との2つの罠に直面している、とした。

司会 村田泰夫 日本記者クラブ企画委員


会見リポート

チャイナリスクは世界的危機招かず

村田 泰夫 (企画委員 朝日新聞出身)

中国経済の抱える危機がいつ現実化するのか、不安が高まっている。バブル化した住宅価格が、いつまでも上がり続けることはない。バブルを支えているシャドーバンキングは、いずれ行き詰まる。土地の譲渡で潤っていた地方政府の財政は、バブルがはじければ破綻する。

 

中国発の世界危機が心配されるゆえんだが、関氏は「シャドーバンキングが破綻しても、世界経済の全面的危機を招くことはない」とみる。

 

国の規制を逃れて巨額の融資をしているシャドーバンキングの破綻は、金融システムの危機を招いた日本の住専の破綻を思い起こす。しかし、関氏は、シャドーバンキングが破綻しても、中国の銀行本体の財務状況は良好で損失をカバーする体力があるし、そもそも国有銀行だから政府が支援に乗り出すという。

 

だから、システミックリスクを顕在化させないとみる。そうであることを切に願うしかない。


ゲスト / Guest

  • 関志雄 / Chi Hung KWAN.

    日本 / Japan

    野村資本市場研究所シニアフェロー / Senior Fellow. Nomura Institute of Capital Markets Research

研究テーマ:2014年 経済見通し

研究会回数:0

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