2013年12月13日 15:00 〜 16:30 10階ホール
研究会「アラブの春から3年:米・中東関係」高橋和夫 放送大学教授 池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授

会見メモ

研究会「アラブの春から3年:米・中東関係」で、高橋和夫・放送大学教授がロウハニ大統領就任後の米国とイラン関係について、池内恵・東京大学先端科学技術研究センター准教授が、今月にまとまったばかりのエジプトの憲法改正案の特徴について、説明した。
司会 脇祐三 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞社)


会見リポート

アラブの春の読み解き方

二村 伸 (NHK解説主幹)

中東の将来は予測するなとよくいわれるが、今後を読み解くカギを2人の専門家が簡潔に示した。


イランの核協議の合意は、戦争をやりたくないオバマ政権と制裁を解除させたいロウハニ政権の思惑が一致したもので、高橋氏(左)は、「このままでは体制がもたないとハメネイ師も感じたのだろう」と指摘。ザリーフ外相がツイッターでユダヤ人に新年のあいさつを送ったり、ユーチューブでソフトに語りかけたりとイランの変化を読み解き、「イランの核問題は動く」と予測。しかし、シリア危機では、歩み寄りが難しく「進展が期待薄」とみる。


池内氏(右)は、「革命は反乱の一部にすぎず、憲法制定がより重要だ」とユダヤ人の哲学者ハンナ・アーレントの言葉を引用し、エジプトが新体制への重要な移行期にあると指摘した。


ムバラク後の選挙で圧勝したムスリム同胞団の憲法は「多数決型」だが、モルシー後の憲法制定は各勢力の声を反映した「コンセンサス型」で、他の移行期の国々でも同様の動きがみられるという。アラブの春はまだ失敗と決めつけず、「反乱後の立憲プロセス」を辛抱強く見守る必要があるようだ。


ゲスト / Guest

  • 高橋和夫 放送大学教授 池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授 / Kazuo Takahashi, Professor, The Open University of Japan(Hoso-Daigaku)  Satoshi Ikeuchi, Asso. Professor., Research Center for Advanced Science and Technology, the University of Tokyo

    日本 / Japan

研究テーマ:アラブの春から3年:米・中東関係

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