2013年11月12日 10:30 〜 11:30 宴会場(9階)
ゲオルギエヴァ欧州委員(国際協力・人道援助・危機対応担当) 記者会見

会見メモ

ゲオルギエヴァ欧州委員が、欧州の自然災害への取り組み、フィリピンの台風被害およびシリア難民への支援活動などについて話した。

司会 中井良則 日本記者クラブ専務理事
通訳 友田真理


会見リポート

災害に強い「社会づくり」 日欧連携で取り組みたい

寺西 和男 (朝日新聞国際報道部)

甚大な被害をもたらした台風30号がフィリピンを襲った直後に来日。欧州連合(EU)で国際協力や危機対応などを担う閣僚の立場から、会見では、フィリピンへの援助から、内戦が広がるシリアの難民の状況まで幅広い話題に及んだ。


会見で繰り返したキーワードの1つは「resilient(レジリエント)」。辞書では「弾力のある」「立ち直りが早い」などの意味があるが、彼女の訴えは、災害リスクを減らし、災害に「強靱な」社会づくりの大切さだ。


2009年までの30年間で912億㌦(約9兆円)が災害援助に投じられたが、災害後の救済が大半で、予防に向けられたのは3・6%だけだという。災害予防への投資は「被害額(を抑えるうえ)で4~7倍以上の効果がある」と述べ、防災インフラの整備や防災教育の重要性を説いた。フィリピンでの被害拡大の背景にも防災面での整備の遅れがあり、示唆に富む指摘だった。


10年に現職に就任後、来日は4度目。東日本大震災後の減災などの取り組みに注目し、世界が災害に「強靱な」社会に向かうため、日本の役割に期待を寄せた。今後の日欧の連携に注目したい。


ゲスト / Guest

  • クリスタリナ・ゲオルギエヴァ / Kristalina Georgieva

    欧州委員会 / EU

    欧州委員(国際協力・人道援助・危機対応担当)  / European Commissioner in charge of international cooperation, humanitarian aid and crisis response

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