2013年11月08日 12:00 〜 14:00 10階ホール
フランシス・フクヤマ氏 昼食会 

会見メモ

フクヤマ氏が、政治的な諸制度の起源について、中国の秦時代からフランス革命までを歴史的に掘り起こした新著『政治の起源』(講談社)の執筆の意図などを説明した。

司会 日本記者クラブ企画委員長 会田弘継(共同通信)

通訳 長井鞠子(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

不思議な地球儀を見たような…

伊奈 久喜 (日本経済新聞特別編集委員)

不思議な地球儀を見せられた気がした。


世界が、何かが分かるだけではない。眺めていると、それぞれの地域の歴史の営みがジオラマのように展開する。世界史を縦横に語る一言一言は、着想の新しさと思考の深さを感じさせた。


人類の歴史を大づかみしながら、近代政治制度の起源を説明する。政治制度を機能させるのは①国家②法の支配③説明責任を持った統治機構──の3要素であるとし、これらに基づいて過去を語る。それは現代国際政治の分析にも通じる。3点だけ紹介する。


▼紀元前3世紀の秦の時代に中央集権的な官僚国家を創った中国には、法の支配と説明責任はなかった。現代中国もそうであり、中間層の改革要求に指導者が対抗すれば、不安定になる。


▼シリア発のイスラムの分裂はイラクにも波及する。


▼2つの欧州がある。成熟した政治制度の北欧と問題含みの南欧である。


会見を聞き逃した方々は、日本記者クラブのサイトにある動画をご覧になるようお薦めする。めったに味わえぬ知的充実感に出合える。


ゲスト / Guest

  • フランシス・フクヤマ / Francis Fukuyama

    アメリカ / USA

    スタンフォード大学上級研究員 / Political scientist

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