2013年10月22日 16:00 〜 17:30 宴会場(9階) 
「新しい日中関係を考える研究者の会」 記者会見

会見メモ

日本と中国の対立に強い懸念を抱く研究者が「新しい日中関係を考える研究者の会」を設立、発表会見を行った。代表幹事の毛里和子・早大名誉教授が「排他的なナショナリズムを越えて」というアピール文を読み上げ、今後中国側との学術交流などを通じた両国の緊張緩和に取り組んでいきたい、と話した。会見には、幹事の菱田雅晴・法政大教授、高原明生・東大教授も同席し、質問に答えた。

司会 日本記者クラブ企画委員 坂東賢治(毎日新聞)


会見リポート

緊張緩和へ 研究者の連帯で改善目指す

林 哲平 (毎日新聞外信部)

対立が続く日中関係を受け、事態打開に向けた行動が学界から始まった。「武力行使回避を約した日中平和友好条約の精神に立ち戻ろう」。中国研究者ら156人で作る会を代表し、代表幹事の毛里和子・早稲田大学名誉教授らが訴えた。


「排他的なナショナリズムを越えて」と題するアピールでは▽学術的知見の提供を通して、東アジアの国民間の和解への道を探る▽日中研究者の知的ネットワークを広げ、緊張緩和に共に努力する──などを会の活動方針に掲げた。来年3月には日中関係を再検証するシンポジウムを開く。


背景には政治分野の冷え込みが学術交流の停滞に拡大している危機感がある。毛里氏は「これまでの交流が何の役にも立っていなかったのではないかと愕然とした」と率直に認めつつ、「研究者にも寄与できる部分があるはずだ」と強調した。


課題は同種の活動が隣国でも広がるか、だ。言論状況を考えると中国国内での組織化は現実的ではないが、個々の研究者の連帯が両国関係の改善に向け、新たな視点をもたらすことを期待したい。


ゲスト / Guest

  • 新しい日中関係を考える研究者の会

ページのTOPへ