会見リポート
2013年05月24日
12:00 〜 13:30
10階ホール
横倉義武 日本医師会会長 昼食会
会見メモ
日本医師会の横倉義武会長が、「地域医療の再興に向けて」とのテーマで話し、記者の質問に答えた。地域医療の担い手としての「かかりつけ医」の今後の課題や、TPP交渉参加についての考えなどについて述べた。
司会 露木茂 日本記者クラブ企画委員
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会見リポート
地域医療の再興図る
庄子 育子 (日経BP社 日経ヘルスケア編集委員)
「今までの医療政策は『地域ごとに異なる医療提供体制をどのように再構築し充実させるか』というボトムアップの視点が欠けていた。日医はインテリジェンス機能を発揮し、各地域の実情をきめ細かく把握・分析した上で、国の政策に反映させていく」。〝ゴリ押し〟ではなく、エビデンスに基づき政策提言する旨を宣言した。
地域医療の再興にあたっては、「かかりつけ医を中心とした医療連携の促進が重要」とし、そのためには日医も、かかりつけ医機能を磨くための生涯研修の場を設けて自助努力することを約束した。
医療連携を進める場合、今や医療機関同士だけではなく、介護や在宅医療、保険薬局などの関連領域ともつながる必要がある。この点に関し、横倉氏は「ITを活用してネットワーク化を図り、包括的な連携体制を構築していくことが有効」だとした。
同日は参院本会議で、マイナンバー法が成立した日でもあった。ただ、医療分野での利用は先送り。医療が外れたのも、日医が適用に反対したことが大きい。そのため出席者からは、連携推進にITを活用すべきとの主張ならば、なぜマイナンバー法に反対したのかをただす質問があった。
「われわれは個人情報が決して流出しないようにしてほしいと訴えていた。情報漏えいを防ぐ手立てがしっかりと打ち出されるのであれば、マイナンバー、あるいは医療独自のナンバーになるかは分からないが、番号管理・利用に反対はしない」
前向きな回答だったことに安堵した。
「参院選を前に、日医は政治との距離を縮めているのではないか」との質問には、「政治と遠い位置にはいられない。その時々の政権与党と接触する」と横倉氏。恒例の揮ごうには「和して同ぜず」としたためており、簡単にくみしない姿を期待したい。
ゲスト / Guest
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横倉義武 / Yoshitake Yokokura
日本 / Japan
日本医師会会長 / Chairman, Japan Medical Association