2012年10月12日 11:15 〜 12:00 10階ホール
サーリーフ リベリア大統領 

会見メモ

サーリーフ・リベリア大統領が、国内情勢や日本とリベリアの関係、女性の社会進出などについて話し、記者の質問に答えた。サーリーフ大統領は、2011年にノーベル平和賞を受賞しています。

司会 日本記者クラブ理事 会田弘継(共同通信)

通訳 西村好美(サイマル・インターナショナル)

外務省ホームページ(リベリア情報)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/liberia/index.html


会見リポート

国民和解と『女の平和』

熱田 充克 (フジテレビ国際局長)

昨年、サーリーフさんがリーマ・ボウイーさんと一緒にノーベル平和賞を受賞したとき、私はどちらかといえばボウイーさんの「セックス・ストライキ」という非暴力運動に興味をひかれた。アリストパネスの『女の平和』を連想した人も多かったと思う。私もその一人。奇想天外なアイデアで、戦争に明け暮れるダメ男たちを懲らしめ、平和を成し遂げる女性闘士をイメージした。


そのボウイーさんが、今度は男たちではなく、盟友であるサーリーフさんに噛みついた。


「サーリーフ大統領は息子を国営企業トップに縁故採用している」などと非難し、政府の「平和と和解委員会」委員長も辞職したという。


一方のサーリーフさんは縁故採用を否定し、「汚職に終止符を打つことが最優先課題だ」と言っていると外電が伝えている。まさにそんな折に今回の会見が開かれた。


サーリーフさんは「国を再建するには国民みんなが和解することがとても重要だ」という考えを示したうえで、「彼女(ボウイーさん)は国民和解に大いに貢献してくれた。それを辞めたいという考えは尊重する。いつの日か、良き一市民として、我々と一緒になって国民和解の仕事を続けてくれることを期待する」。


銀色のボールペンを両手の指先でつまんで、くるくる回しながら大統領はいっきにしゃべった。わずか46秒間のコメントだった。


長く続いた内戦では、27万人の死者と80万人の難民が出た。その地で、民主化と経済復興を目指すのは並大抵な仕事ではない。あらゆる有能な人材を総動員しなければならないだろう。


サーリーフさんとボウイーさんに『女の平和』が再び戻ってくることを、そしてリベリアの復興が一日でも早く一歩でも前に進むことを切に願う。



ゲスト / Guest

  • エレン・ジョンソン=サーリーフ / Ellen Johnson-Sirleaf

    リベリア / Liberia

    大統領 / President

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