2012年05月30日 12:00 〜 13:30 10階ホール
昼食会 国分良成 防衛大学学校長

会見メモ

2012年4月に防衛大学校長に就任した国分良成氏が、自衛隊の役割や日本の安全保障などについて話し、記者の質問に答えた。


司会 星野誠 日本記者クラブ理事(TBSテレビ)

質問 坂東賢治 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)


防衛大学のホームページ

http://www.mod.go.jp/nda/index.html


会見リポート

「国と国民守る」ミッションに挑戦

国分 高史 (朝日新聞論説委員)

学生時代も含め40年間、慶応大学一筋に学究生活を続けた。法学部長を務め、塾長候補とも言われた。


そんな国分氏が、防衛大学校長への就任要請を受けようと決めたのは昨年3月のこと。福島第一原子力発電所に、陸上自衛隊のヘリが放水したのを見た瞬間だったという。


東日本大震災で、自衛隊員がみせた規律ある救援活動。きちんと教育され、鍛えられていたからこその姿であり、それを感じたことで決心を固めたのだとか。


中国の専門家から防大校長への転身は、初めてのケースだ。


教授時代は学生に「自分のミッション(使命)を探せ」と説いた。それは自分の個性を見つけることになるとの思いからだが、結局は就職活動がミッションになってしまう現実にジレンマを感じていた。


一方、防大生の場合、それは「国と国民を守ること」だとはっきりしている。


そんな環境に身を置いてみると、今度は自分自身が国家、国民のために直接働いたことがあるのかと自問するのだという。


だから「今回は自分にとっても最後のチャンスだし、チャレンジだ」と語る。「4月以降は、人生が明るくなった」とも。


学校長として心を砕いているのは、真の国際人を育てることだ。「地域の安全保障環境や自衛隊の役割を考えるには、世界情勢を冷静に読み解くことが必要だ。そういう点でも、外国を経験してこなければ」と力説する。


2時間の会見のほとんどで見せたのは、「教育者」としての顔だった。だが、最近の中国の海軍力の増強や指導部内の権力闘争についての質問が出ると、あっという間におなじみの「気鋭の研究者」の顔に戻っていった。



ゲスト / Guest

  • 国分良成 / Ryosei Kokubun

    日本 / Japan

    防衛大学学校長 / President, National Defense Academy of Japan

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