会見リポート
2012年05月15日
15:00 〜 16:00
宴会場(9階)
モハウ・ペコ 新南アフリカ大使を囲む会
会見メモ
アパルトヘイト撤廃後20年たらずでG20のメンバーとなった南アフリカの好調な経済や、日本との経済関係の展望などについて話し、記者の質問に答えた。
司会 日本記者クラブ企画委員 杉田弘毅(共同通信)
通訳 大野理恵(サイマル・インターナショナル)
南アフリカ大使館
会見リポート
世界経済の中心は「南」へシフト
杉田 弘毅 (企画委員 共同通信編集委員)
南アフリカは昨年BRICS首脳会議の仲間入りをした。G20の創設以来のメンバーでもある。
「18年前に新生南アフリカが誕生した時に今の発展は想像できなかった」と感慨深い。米国で高等教育を受けた実業家。「南アフリカは新しいアイデアを生みだす社会実験のさなかにいる。失敗を恐れない国」とポジティブだ。
それにしても、南アフリカのGDPは、中国の20分の1。南アフリカが人種対立を超えて民主主義に移行したのに対して、中国は民族・人権問題を抱え、政治の自由が保障されていない。
多様な国々をBRICSにひとくくりにするには無理があるのだが、大使はBRICSを「経済や人口、国土の大きさを基準としたグループでなく、世界経済をよりバランスがとれたものとし、多極化させる目的を共有する」と定義付けた。
BRICSとは新興国の頭文字をとっただけでなく、先進国中心の世界経済を改革するという目標を掲げたことになる。BRICSが世界経済の4分の1を占める今はその意味は重い。「経済の中心は南にシフトしている」と言う。
話題となっているBRICS銀行についても、世界銀行などの融資基準が、「その国の統治が健全か、補助金が削減されたかなど厳しく、途上国の柔軟性を奪うので新システムが必要」と指摘。BRICS銀行には「北」に対する「南」の挑戦の意も込められるようだ。
南アフリカは女性の政治進出指数で世界第5位、日本は107位といい、女性パワーについても熱く語った。女性の活躍も南アフリカの自信の源泉なのだろう。
ゲスト / Guest
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モハウ・ペコ / Mohau Pheko,
南アフリカ / South Africa
大使 / Ambassador to Japan