2012年04月20日 15:00 〜 16:00 10階ホール
ウッドフォード 元オリンパス社長 記者会見

会見メモ

臨時株主総会後にオリンパスの新経営陣などについて話し、記者の質問に答えた。


司会 日本記者クラブ企画委員 倉重篤郎(毎日新聞)

通訳 ミラー和空


『解任』早川書房 (2012/4/12)

http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/112191.html


Olympus Grassroots.com

http://www.olympusgrassroots.com/


会見リポート

日本への愛憎半ば?

倉重 篤郎 (企画委員 毎日新聞論説委員長)

オリンパスの新体制を決める株主総会出席のためわざわざ来日したウッドフォード氏。日本記者クラブには昨年12月、今年1月に続いて3回目の登場となった。


冒頭30分、3点について発言があった。第1に、自らが社長を解任された人事について事前質問を提出していたにもかかわらずその回答がなかったことに対し、この株主総会そのものの取り消しを求める訴訟を検討している。第2に、今回の役員人事は事件にからんだ人物2人を再任しており第三者委員会の提言に違背する。第3に、海外から見ると日本企業のガバナンスへの評価は今回の事態でますます低くなった。


残り1時間は質疑が行われた。日本のメディアに対する評価を聞くとこう答えた。「日本は保守的な社会。ジャーナリストたちがそれなりの制約の中で働いているのは承知している。それでも、月刊「FACTA」が見事にスクープし、つぶされてもいない。ただ、一般紙は広告の関係でやはり扱いにくかったと思う。日本の報道機関は権力に対して遠慮がちだ。もっともいったん記事が出始めると、立派な報道合戦になってくる」


外国人経営者の適性についての質問に対しては、日産のゴーン氏やソニーのストリンガー氏らへの論評を加えた上で、「私はあくまでも生え抜きの社長だった」と述べ、その違いを強調した。


「日本の市場は今売りか、買いか」との質問に対しては、「セル(売り)、セル、セルですね。日本の株式市場はかなり疑問に思われている。貸借対照表も数字通り信じていいか疑われている」との本音も出た。それでも「日本企業からやってくれ、と言われれば明日にでも社外取締役になります」と日本への愛着もほとばしる。


日本への愛憎半ば。もっと攻撃的な市場原理主義者かと思っていたが、バランス感覚のある常識人との印象を受けた。



ゲスト / Guest

  • マイケル・ウッドフォード / Michael Woodford

    オリンパス元社長 / Former President and CEO of Olympus

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