2012年04月12日 17:00 〜 18:00 10階ホール
アルマリキ パレスチナ外相 記者会見

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 脇祐三(日経新聞)

通訳 大野理恵(サイマル・インターナショナル)

中東和平とパレスチナ国家建設の現状などについて話しました。

駐日パレスチナ常駐総代表部のホームページ

http://www.palst-jp.com/jp/jp_top.html


会見リポート

国家格上げで停滞打開?

松尾 圭介 (時事通信社外信部)

「国際刑事裁判所(ICC)への加盟をちらつかせて威嚇するとか、最後通牒を突きつけるとか、そういうことは考えていない」


ヨルダン川西岸でユダヤ人入植活動を着々と進めるイスラエルのネタニヤフ政権に対する警告なのか、それとも粘り強く対話を求める以外に道はないと腹をくくっているのか。雄弁なアルマリキ外相の言葉の端々には、中東和平をめぐる停滞感がにじんでいた。


イスラエルが今後も強硬な姿勢を変えないなら「パレスチナは国連に行く」。そして現在、国連で持つ資格を「オブザーバー組織」から「オブザーバー国家」に格上げするよう採決を求めていくことになると言明した。時期は「一番ぎりぎり最後のタイミングで国連総会のある9月。それより前、夏には何らかの行動を取りたい」と踏み込んでもみせた。


パレスチナが国連で「国家」と位置付けられれば「全ての国連機関・組織に対する権利を持ち、扉が開く」と外相。次のステップとしてICCに加盟申請すると予想されている。もし加盟が認められれば、イスラエル軍によるパレスチナ人攻撃、さらにユダヤ人の入植をICCに提訴することになる。ネタニヤフ首相はスーダンのバシル大統領らと並んで「世界のお尋ね者」になるかもしれない。


しかし、外相自身「国連総会で問うことは過去20~30年間、やろうと思えばいつでも可能な選択肢として存在していた」と認めている。それができなかったのは「米国が反対するのは分かっている」からだ。


「米国は友好的と考えている。対立したいとは考えていない。米国とは常に話し合ってきており、現実的に何が可能か常に話している」と繰り返す外相に、米国頼みの苦しい現実をことさら隠す様子はなかった。



ゲスト / Guest

  • リヤード・アルマリキ / Riyad Al Maliki

    パレスチナ / Palestine

    外相 / Minister of Foreign Affairs

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