2012年04月20日 11:00 〜 12:00 10階ホール
フックス 独与党会派副議長 記者会見

会見メモ

ユーロ圏の将来とドイツの役割について話し、記者の質問に答えた。


司会 日本記者クラブ企画委員 小此木潔(朝日新聞)

通訳 長井鞠子(サイマル・インターナショナル)


フックス氏のホームページ(ドイツ語のみ)

http://www.cdu-fuchs.de/


会見リポート

ギリシャよ、まやかしは通用しない

岡田 隆司 (共同通信外信部)

「ギリシャをユーロ圏のメンバーに受け入れるべきではなかった」。欧州の経済大国ドイツの与党キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU・CSU)のミヒャエル・フックス氏は会見で、欧州債務危機の発端となったギリシャに、叱咤激励とも、既に見限っているとも受け取れる厳しい言葉を繰り返した。


ユーロ圏に残りたいなら「トリック」や「まやかし」は通用しないと述べ、ギリシャに対し、確実に債務削減などの改革を実行するのか、自らユーロ圏を離脱する道を選ぶのかを強く迫った。


「(改革に向けた)法律を作っても行政としてきちんと施行できるのかどうかが問題だ」。ギリシャ政府を監視する必要性を訴え、民間債権者による大幅な債務減免措置の後も、ギリシャの返済能力には疑問が残るとも主張。ドイツが抱くギリシャに対する根深い不信感が垣間見えた。


一方で債務問題を抱えるほかのユーロ圏諸国に関しては「ギリシャとは違う」と述べ、欧州危機再燃への懸念払拭に努めた。各国が痛みを伴う改革を実行していることに対してねぎらうような言葉も口にした。


イタリアに関しては「問題がない」と述べ、モンティ政権を評価。市場が財政の先行きに疑念を強めているスペインについても、不動産バブルなどのためイタリアよりも問題が複雑だと認めたが、「問題を解決していく正しい路線に乗っている」と強調。アイルランドは「予想よりもいい仕事をしている」と分析し「2~3年もすれば問題はない」と楽観的な見通しを示し、ポルトガルについても「解決可能」だとした。


来日したばかりにもかかわらず、約1時間の会見の間、時折ユーモアを交え、笑顔を浮かべながらエネルギッシュに話し続けた。自国ドイツ経済については今後数年間、堅調に推移すると述べ、胸を張った。



ゲスト / Guest

  • ミヒャエル・フックス / Michael Fuchs

    ドイツ / Germany

    与党会派副議長 / Deputy Chairman of the CDU/CSU parliamentary Group of the German Parliament

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