2012年03月19日 16:30 〜 17:15 10階ホール
グスマン 東ティモール首相 記者会見

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 川村晃司(テレビ朝日)

通訳 池田薫(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

大統領選の行方見守る

真田 正明 (朝日新聞論説委員)

テトゥン語での国名ティモール・ロロサエは「日出づる国」の意味である。5月で独立10周年を迎える。


独立後も混乱があり、撤退した国連PKOを再度派遣することになったが、それもようやく落ち着いてきた。昨年、戦略開発計画を発表し、東南アジア諸国連合(ASEAN)にも加盟を申請した。次の10年を見すえて動き始めている。


開発計画の柱はインフラ整備と人材育成だ。グスマン氏は「07年以来平均12%の成長率」を誇っていたが、もともと農業以外にこれといった産業のない国である。若者の就職難など問題の解決はたやすくない。


ティモール海からは石油と天然ガスが出る。オーストラリアと共同開発していて、その収入は基金として積んでいる。


来日したのは初の円借款を結ぶためである。東ティモールにとって海外からの初めての借款になる。それもこの基金の裏付けがあってのことだろう。


対象は首都ディリから第2の都市バウカウを結ぶ国道1号の整備だ。国の北側の海岸線を走る道。美しい海は観光資源でもある。新たな産業を生むことが期待されている。


独立運動でノーベル平和賞を受けたのは、いまの大統領のホルタ氏とベロ司教だ。しかし独立のために真に命をかけたのは、ゲリラの司令官だったグスマン氏であることを国民はみな知っている。


短い会見の中で、質問は進行中の大統領選挙に集中した。彼が選挙の行方について慎重に言葉を選んだのは、自分の影響力を恐れてのことだったのだろう。


「大震災にショックを受けたが、日本人の決意と規律は国民を触発している」と冒頭に話した。会見の後は自ら記者に握手をして回った。



ゲスト / Guest

  • カイ・ララ・シャナナ・グスマン / Kay Rala Xanana Gusmão

    東ティモール / East Timor

    首相 / Prime Minister

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