2011年07月04日 13:30 〜 14:30 10階ホール
シリーズ企画「3.11大震災」 君塚栄治 東北方面総監

会見メモ

災統合任務部隊指揮官として東日本大震災に対処する自衛隊を率いた君塚栄治・陸上自衛隊東北方面総監が記者会見し、活動の実績や米軍との共同作戦について語った。


司会 日本記者クラブ企画委員 倉重篤郎(毎日新聞)


使用した資料(追加した資料も含む)

http://www.jnpc.or.jp/files/2011/07/43063c70568f05e465ce729c8717f35b.pdf

防衛省ホームページの東日本大震災対応のサイト

http://www.mod.go.jp/j/approach/defense/saigai/tohokuoki/index.html


会見リポート

「最後の砦」の覚悟示した指揮官

谷田 邦一 (朝日新聞編集委員)

東日本大震災で11万人近い大部隊を率いた指揮官は、被災地と同じ迷彩服とヘルメット姿で現れた。


5人いる陸上自衛隊の方面総監の1人。未曽有の災害と原発事故を相手に、この4カ月、文字通り「我々が最後の砦」の覚悟で臨んだ活動について、気負うことなく語った。


人命救助約1・9万人、遺体収容9500人、医療支援2・3万人……。阪神大震災を大きく上回る実績の紹介に、今回の派遣がいかに過酷であったかが改めてわかる。


「被災者には温かい給食、自分たちは缶メシ」「最後までニーズを発掘し、必要とされる限り支援を続ける」「もっとやれたんではないかと自責の念をもつ隊員が少なくない」


さらりと出る言葉の端々からは、被災者に寄り添う自衛隊の目線の低さ、支援のきめ細かさも伝わる。


「自衛隊は国土だけでなく、国民を守るために訓練し準備する組織」という説明に不自然さはなかった。


今回の活動では、「トモダチ作戦」を展開した約2万人の米軍との業務調整も初めての経験だった。


「彼らの力を100%、120%引き出すのが私の仕事だと思った」


支援の合間にランニングをしている米兵を捕まえ、「そんな暇があるなら瓦礫を片づけてくれ」と注文をつけたこともあったという。


全体としては、米軍の能力や装備が事前によくわからず、戸惑う場面もあったというが、共同訓練を通じて培われた双方の協力ぶりは「最高の出来だった」と評価する。


会場からは、活動を通じて得られ教訓などに質問が寄せられた。


自衛隊は今回、災害派遣では初めて陸海空が統合部隊として連携した。部隊間の円滑な意思疎通が何より大事とされるが、「陸海空の通信の統制は不十分だった。米軍との(通信の)共有化も課題だった」という。今後の改善が望まれる。



ゲスト / Guest

  • 君塚栄治 / Eiji KIMIZUKA

    日本 / Japan

    東北方面総監 / Lieutenant General, GSDF/ CG, Northeastan Army

研究テーマ:シリーズ企画「3.11大震災」

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