2007年11月19日 00:00 〜 00:00
鳩山由紀夫・民主党幹事長

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会見リポート

衆院選勝利─単純な図式なし

国分 高史 (朝日新聞論説委員)

大連立騒ぎでの支持急落は何とか免れた──。鳩山幹事長の言葉の端々には、そんな安堵が見て取れた。

唐突な大連立話の頓挫とそれに続く小沢一郎代表の辞意表明、そして撤回。「党へのダメージは計り知れない」との評価もあったが、あにはからんや、一部の世論調査では支持率が上昇し、会見前日の大阪市長選でも勝利を飾ったからだ。

「昔の民主党で、代表が辞めるべきだとの状況になったら、すぐに『次はだれか』と動きだし、収拾がつかなくなっていた」。鳩山氏は、自らの代表時代のことも含めてこう振り返ったうえで、「民主党も、それなりに成長したのではないか」と胸を張った。

とはいえ、党の先行きが明るいとは、決して言えないのも事実だ。

小沢氏は大連立について、朝日新聞のインタビューで「選挙で勝てる最大の方策で、自分の政治判断は今でも正しいと思っている」と力説している。政権入りし、政策を実現させることが衆院選勝利への道だとの理屈だが、鳩山氏の見立ては「そんな単純な図式はあり得ない」。党内の火種はくすぶったままだ。

鳩山氏は、次の総選挙後の政権戦略について、こうも語った。

「民主党が第一党になれば、過半数はとれていなくても、第一党を中心として連立政権を考えるのが憲政の常道だ。それが大連立になるとは考えにくい」。一方で、「自民党の中で政権の方向性が望ましくないと思う方々がいるのなら、そういう方々との連携はあり得る話だ」。

鳩山氏の言うように、目標とする過半数の小選挙区での勝利は、「非常に難関」だ。大連立に突き進んだ小沢氏を押しとどめた以上、選挙のかじを取る鳩山氏の責任は重い。

ゲスト / Guest

  • 鳩山由紀夫 / Yukio Hatoyama

    日本 / Japan

    民主党幹事長 / Secretary-General, Democratic Party of Japan

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