2006年10月25日 00:00 〜 00:00
太田昭宏・公明党代表

申し込み締め切り

会見リポート

二つのキーワード

中静 敬一郎 (産経新聞論説副委員長)

なにげない言葉が、物事の本質を語ることがある。

その意味で太田昭宏公明党代表の会見で印象的だったのは、「考え方が違う」と「閣下」という二つの言葉であった。

前者は、安倍晋三首相とどう向き合うかという質問に答える文脈で出てきた。

太田氏は「現行憲法は優れている。全然だめとか、押し付けられたというなら、考え方が違う」と語気を強めた。

それまで「自民党総裁、総理大臣と個人の考えは違う。(安倍氏は)総裁、総理として発言している」「信頼関係は高まっている」などと、首相をかばうような発言が続いていただけに、おやっと思わせた。

首相は「占領軍の影響下で憲法が制定されたのは間違いない事実だ。制定過程にこだわらざるを得ない」と語っている。両者の憲法観の溝は深いようにみえる。連立政権の存続を決しかねない問題になっていくのだろうか。

後者は、今年3月に訪中して胡錦濤国家主席との会談を披露したとき、「閣下」と敬称をつけたものだ。最高指導者に敬意を示したのは、党間交流における存在感の違いが背景にあるのだろう。だが、日中間では“対等”な交流がやはり基本に違いない。

答えにくそうな質問もあった。竹入義勝氏(初代委員長)などを攻撃している真意を問われ、「竹入氏は党のお金を私的に流用したという事態だ。庶民の党とは随分違いがある。あいまいではなく、批判したほうがいい」と説明した。

そつのない受け答えぶりではあったが、丁寧に、率直に、思うところを語りかけていた。

ゲスト / Guest

  • 太田昭宏 / Akihiro Ohta

    日本 / Japan

    公明党代表 / Chief Representative, New Komeito

ページのTOPへ