2005年06月20日 00:00 〜 00:00
北城恪太郎・経済同友会代表幹事

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会見リポート

クールビズで参拝を   

澤木 範久 (東京新聞・中日新聞東京本社経済部長)

「民間でできる事業は、民間の創意工夫にまかせよ」

構造改革推進の提言を続ける経済同友会の代表幹事として、郵政民営化の必要をあらためて力説した。赤字補てん体質に染まった国の事業に、改革は生まれない。民営化後の郵便局の全国一律サービス維持を懸念する声もあるが「経営が成り立たないという危機感を持つ時、初めて創意工夫が出てくる」のだと。

発足4年がたった小泉内閣について「公共事業に頼らず景気回復を目指した」「官邸主導の政策決定を実現した」と評価。一方で、三位一体改革や、医療、教育、農業などの規制改革、諸外国との自由貿易協定(FTA)の推進は不十分だとした。

今後の課題は、まず財政再建。「国内に危機感がない。メッセージをはっきり出してほしい」。次に教育問題。「高齢者に多少の痛みを与えてでも、年金から子育てへ重点を移せ」。そして、新産業創造立国。「産業再生に力を入れる政策運営から、新事業に挑戦する経営者が活躍できる社会に」。  外交面では近隣諸国との良好な関係構築を強調した。首相の靖国神社参拝を公式参拝から個人参拝に切り替え「羽織はかまでなくクールビズで」と述べて会場を沸かせたが、国家・党の決定として参拝を認めない態度に出ている中国が、それで納得するかは分からない。

最後に「あなたのキーワード『創意工夫』を英語で何と表現する」と聞かれ、自ら率いるIBMの標語「THINK」でなく「INNOVATION、改革だ」と答えた。

「考えても、実行しなくては意味がない」  豊かな国際経験に支えられた論旨は、あくまで明快だった。

ゲスト / Guest

  • 北城恪太郎 / Kakutaro Kitashiro

    経済同友会代表幹事 / Chairman, Japan Association of Corporate Executives

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