2015年11月26日 16:15 〜 17:15 10階ホール
グテレス 国連難民高等弁務官 会見

会見メモ

グテレス国連難民高等弁務官が10年の任期をふり返り、難民の現状について話し記者の質問に答えた。


会見リポート

退任直前、難民増に表情硬く

杉田 弘毅 (企画委員 共同通信論説委員室長)

沈痛な記者会見だった。

 

12月末に10年の任期を終え退任するグテレス国連難民高等弁務官は、「10年前に比べて世界は明らかに悪くなり、難民の状況もはるかに厳しくなった」と肩を落とした。

 

この10年間ベストを尽くしたつもりだが、「誇れる遺産など何も思いつかない」と言う。

 

その思いは数字が裏付ける。

 

10年前、国外に出た難民と国内に残りながらも住居地を出た国内避難民を合わせて3800万人。だが、今は6000万人に膨れ上がった。紛争終結を受け故郷に戻れる人も10年前は1年間で100万人いたが、今は12万4千人しかいない。

 

それもこれもシリアをはじめ中東・北アフリカの紛争が大きく影響している。今年だけで中東から欧州に80万人が向かった。UNHCRも欧州諸国に組織的な受け入れを要請してきた。

 

しかし、パリで起きた同時多発テロでハンガリーなど一部の国々がイスラム教徒の入国を拒否する事態に失望は大きい。「テロリストは欧州育ち。難民に罪を負わせないで」と訴えた。

 

それにしても、経済は発展し技術は向上している。貧困も減った。だが、紛争は増え難民は増えている。それはなぜか。突きつける問いが残った。


ゲスト / Guest

  • アントニオ・グテレス / António Guterres

    国連 / United Nations

    国連難民高等弁務官 / UN High Commissioner for Refugees

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