2015年02月17日 16:00 〜 17:15 宴会場(9階)
研究会「デジタル時代のスウェーデンの新聞経営・編集」 ダーゲンス・ニーヘーテル紙

会見メモ

スウェーデンの新聞社、ターゲンス・ニーヘーテル紙のヘルリッツ社長とヴォロダルスキ編集長が「デジタル時代のスウェーデンの新聞経営・編集」をテーマに話し、記者の質問に答えた。
司会 会田弘継 日本記者クラブ企画委員長(共同通信社)
通訳 森岡幹予(サイマル・インターナショナル)
写真左=ヴォロダルスキ編集長、右=ヘルリッツ社長
Dagens Nyheter


会見リポート

新聞経営の舵取りと社会の過激化への対応

川本 裕司 (朝日新聞編集委員)

1864年に創刊されたスウェーデンの最大手紙ターゲンス・ニーヘーテルは28万部、編集方針に「独立したリベラルな視点」を掲げる。オーナー家の女性社長、グニラ・ヘルリッツ氏は「発行部数は年4~14%減っている。2000年から14年までを見ると、紙の広告収入はほぼ半減したが、購読料を引き上げて収入は維持している。デジタルの広告収入は上向きで、紙の25%に達している。デジタル分野の多額の投資が必要」と、新聞経営の舵取りを説明した。

 

同席したペーテル・ヴォロダルスキ編集長は、仏シャルリー・エブド紙襲撃の引き金となったイスラム教の風刺画についてはターゲンス紙でも掲載したと表明。「米国などよりも宗教的批判が強いから」と説明した。同時に、「先週、ネオナチがターゲンス紙に脅しをかけてきた。失業率の増加などで欧州社会が過激化している。ジャーナリストして危険な時代になったが、ジャーナリズムの重要性が認識され、読者の期待に応えないといけない」。新聞普及率の高い北欧にもある厳しい現実と、それに立ち向かう決意を示した。


ゲスト / Guest

  • グニラ・ヘルリッツ・ターゲンス・ニーヘーテル紙社長、ペーテル・ヴォロダルスキ同編集長 / Gunilla Herlitz, CEO of the Dagens Nyheter (Swedish newspaper), Peter Wolodarski, editor-in-chief of the Dagens Nyheter

    スウェーデン / Sweden

研究テーマ:デジタル時代のスウェーデンの新聞経営・編集

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