2015年02月23日 14:00 〜 15:30 10階ホール
「戦後70年 語る・問う」 宮本康昭弁護士

会見メモ

弁護士の宮本康昭さんが、「戦後司法の転換点をふり返る 司法の危機から司法改革」というテーマで話し、記者の質問に答えた。
司会 津山昭英 日本記者クラブ特別企画委員


会見リポート

「最終目標は司法官僚制の打破。第二次司法改革が必要」

津山 昭英 (特別企画委員 朝日新聞出身)

「司法危機で統制を進めたことが、やがて、改革を待望する雰囲気を作った」。このように、60年代後半からの「危機」と90年代からの司法改革を位置付けた。宮本氏は青年法律家協会裁判官部会の中心人物として再任を拒否され、改革では日弁連の司法改革実現本部の本部長代行だった。

 

違憲判決などに危機感を深めた自民党に、大新聞も加担した青法協攻撃をきっかけに、思想統制はもとより、「裁判官は赤提灯の飲み屋はダメ」「野鳥の会も控えた方がいい」、とまで規制が進んだこと、現状追認の判決や無気力な裁判官が増え、司法が市民の権利救済の機能を果たさず、国民から遠い存在になったことを、秘話を交えて語った。

 

裁判員制度に象徴される改革に、最高裁も法務省も反対だった。ところが、「市民のための司法」を求める276万人の署名に加え、財界や米国からの要求、政府・自民党の事後救済型社会への転換路線という「同床異夢」で改革は実現した。これを評価しながらも、「最終の目標は司法官僚制、裁判官の階層秩序と中央集権的な統制をなくすこと。第二次改革が必要」と締めくくった。

 

1時間半の会見の間、一度も腰を降ろすことはなかった。


ゲスト / Guest

  • 宮本康昭

    弁護士

研究テーマ:戦後70年 語る・問う

研究会回数:13

ページのTOPへ