2014年12月08日 14:00 〜 15:00 10階ホール
吉岡斉 原子力市民委員会座長 記者会見

会見メモ

政府事故調委員も務めた吉岡斉 原子力市民委員会座長が会見した。

 

司会 服部尚 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞社)


会見リポート

エネルギー基本計画の矛盾突く

服部 尚 (企画委員 朝日新聞編集委員)

政策提言する市民シンクタンクである「原子力市民委員会」の座長に昨年9月に就任した。全国48基の原発のうち、再稼働するのはせいぜい3分の1から4分の1との見通しを示した。原発の代わりに使う火力発電の燃料費輸入が経済的に打撃だという見方に対し、燃料費の輸入は減らないと反論した。

 

原発即時ゼロという前提ではなく、あえて再稼働の見通しを示すのは、時期は別にして原発をなくすという考え方の人が共に考えていこうという委員会の姿勢でもあるという。

 

一方で現行のエネルギー基本計画では、できる限り原発依存度を減らすとしながらも、重要なベースロード電源と位置づけた。「ただし、エネルギーミックス(原発比率)目標と個々の事業の具体的タイムテーブルは示されず、先送りされた」と指摘する。現行の計画は現時点で動いている原子炉は1つもないという実態とかけ離れたものになっている。吉岡氏はその矛盾点を突き続けた。多くの国民が原発再稼働に抵抗感を抱く中、政府は世論を気にして積極策に出られないとの見方から、エネルギー政策の議論も「牛歩を強いられている」と断じた。


ゲスト / Guest

  • 吉岡斉 / Hitoshi Yoshioka

    日本 / Japan

    原子力市民委員会座長 / Chairperson, Citizens’ commission on nuclear energy

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