2014年08月08日 15:00 〜 16:30 10階ホール
研究会「中国とどうつきあうか」⑩小原凡司東京財団研究員・政策プロデューサー

会見メモ

駐中国防衛駐在官の経験を持つ、東京財団の小原凡司研究員兼政策プロデューサーが、中国の軍事戦略や最新装備について説明し、質問に答えた。

司会 坂東賢治 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞社)


会見リポート

中国の軍事戦略 対日開戦の選択肢はない

坂東 賢治 (企画委員 毎日新聞専門編集委員)

「空軍は海外との交流も少なく、国際的な常識を知らない」「戦闘機の数は増えているが、訓練は十分でない」。今年5月、中国軍の戦闘機が自衛隊機に異常接近した事件について、小原氏の見解は、空軍やパイロットの資質に遠因があるというものだった。さらに習近平国家主席が空軍重視を打ち出したことで、増長も見られるという。


海上自衛隊出身。武官として北京に駐在したこともあり、中国軍関係者との交流の経験も豊富だ。制服組トップだった徐才厚・前中央軍事委副主席の「党籍剥奪」や7月の米中戦略経済対話など最新の情報も盛り込みながら、権力掌握を進める習国家主席の今後の戦略や中国軍の装備近代化の現状などを詳細に分析してくれた。


▽軍事力で大きな差のある米国との衝突を避けることが最重要課題で、「新型大国関係」の狙いも、ここにある▽「東進」ではなく「西進」、東シナ海より南シナ海をより重視している▽日本は軍事的にも経済的にも無視できない国。日米同盟の存在もあり、対日開戦の選択肢はない。


中国軍の能力分析や実際の動きに基づいた解説には説得力があった。


ゲスト / Guest

  • 小原凡司 / Bonji Ohara

    日本 / Japan

    東京財団研究員・政策プロデューサー / Research Fellow, Project Manager, The Tokyo Foundation

研究テーマ:中国とどうつきあうか

研究会回数:10

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