2013年04月10日 11:10 〜 12:10 10階ホール
ペニャニエト メキシコ大統領 記者会見 

会見メモ

メキシコのペニャニエト大統領は、滞在最終日に会見し、今回の公式訪日の意義について語った。質疑応答では、日本のTPP交渉参加への支持表明やメキシコ国内の治安問題などについて答えた。

司会 日本記者クラブ理事 会田弘継(共同通信)

通訳 三好勝(メキシコ大使館翻訳官)


会見リポート

TPPへの交渉参加 日本を支持

鈴木克彦 (時事通信外信部)

交渉参加の是非をめぐり国民的議論が沸き起こり、日本の政財界やマスコミなどを賑わせてきた環太平洋経済連携協定(TPP)。安倍晋三首相が交渉参加を表明して以降、もっぱら国内の関心は日本がいつから実質交渉に参加できるのか、他国の賛同は得られるのかに移っている。
交渉でのルール作りに早期に加わり、日本の主張をできるだけ反映させなければならない─。日本側が焦りを強めるのは、主にこうした理由からだ。農産物などの重要品目を多く抱える日本に対し、米国などTPPを主導するいくつかの主要参加国の支持はなかなか得られず、(会見の4月10日当時)焦燥感に拍車が掛かる。
そうした観点から、ペニャニエト大統領の訪日で、日本は一定の成果を得た。メキシコもTPP交渉に加わったばかりの「後発国」。後から加わったために不利な条件をのまされてはたまらない、と日本との「共闘」を演出して他国をけん制する狙いもあろう。また、TPP参加を目指す国の首脳としては初めて日本に支持を表明したのも、自国で渦巻く根強い反対論を何とか抑えたい、という思惑があったかもしれない。
会見でも、日本メディアからはTPPへの質問が集中。特段踏み込んだ発言はなかったが、重要品目の例外扱いに関する問いに「個別の交渉内容は言えないが、各国の留保事項はそれぞれの交渉の席で話し合うべきだ」と日本の懸案は今後の交渉次第で打開できるとの見方を示した。
「日本の発展からは、経済成長や技術革新などメキシコが学ぶべきインスピレーションがたくさんあり、模範となる国だ」。大統領からは、聞いていて恥ずかしくなるほどのほめ言葉を頂いた。日本だけでなく、メキシコ側にとっても今回の訪日での収穫が大きかったことを望みたい。

ゲスト / Guest

  • エンリケ・ペニャニエト / Enrique PEÑA NIETO

    メキシコ / Mexico

    大統領 / President

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