2011年10月12日 12:00 〜 14:00 10階ホール
萬歳 JA全中会長 昼食会

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 村田泰夫


JA全中HP

http://www.zenchu-ja.or.jp/


会見リポート

TPPは食料自給率向上と矛盾

村田 泰夫 (企画委員 朝日新聞出身)

今年8月、農協界のトップである全国農業協同組合中央会(JA全中)の会長に就任した。新潟県内の米農家の出身。東日本大震災で被害を受けた被災地農業の復興と、農産物市場の大幅な開放をもたらすTPP(環太平洋経済連携協定)に反対する運動に取り組む。


質疑応答はもっぱらTPP問題に集中した。第3次補正にめどを付けた野田政権の、この時期の最大の課題はTPPへの参加問題。ホットなテーマだけに関心も高かった。


TPPについて萬歳会長は「国内農業振興や食料安全保障と両立せず、とうてい容認できない。しかも食料自給率を向上させるという政府の基本方針とも矛盾する」として、絶対反対の立場を貫いた。


「自由化絶対反対のかたくなな農協の玉砕戦法が、ウルグアイ・ラウンド農業交渉の失敗を招いた。同じ轍を踏まないか」との指摘には、陪席した富士重夫JA全中専務が「TPPは例外なき関税撤廃という柔軟性のない協定。当方として柔軟に対応できる余地がない」と答えた。


また、萬歳会長が「自由貿易そのものには反対ではない。公正、平等なルールであれば」と述べたのが、注意を引いた。WTO(世界貿易機関)のもとで、多様な農業が共存できる道を探るという意味だろう。


それにしても、「TPP反対の先に、日本農業再生の展望が開けるのか」という疑問は残る。これに対し、農協としても20~30ヘクタールの「強い」水田農業を育てるという。しかし「強い農業を育てることとTPPとは別問題だ」との立場だ。


「農協は身内だけの世界に閉じこもって(世間と乖離して)いる」とか、「日本農業は壊滅すると、これまで常に危機をあおってきたが、実際はつぶれていない」とか、農協に不信感をぶつける意見も出た。


ゲスト / Guest

  • 萬歳章 / Akira BANZAI

    日本 / Japan

    全国農業協同組合中央会会長 / Japan Agricultural Co-operatives

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