2011年04月08日 16:00 〜 17:00 10階ホール
被災地議員 記者会見 大島理森 衆議院議員 (自民、青森)

会見メモ

震災翌日に地元の八戸に入って「慄然とした」。産業・生産の基盤が津波ですべてなくなった。それが太平洋岸を茨城、千葉まで続いている。当初はまずエネルギーがなかった。すぐに石油連盟に要請し、運搬方法を指示した。被災した自治体と件団連のホットラインも作った。「現場が必要としているものをまず提供するのが大切だ」。

復興は国が主体で取り組むべきだが、その覚悟が菅総理にはあるか。復旧・復興の財源については、当面は増税ではなく今ある財源を元にするべきだとし、一次補正には協力する姿勢を示した。が、復興が中心になる二次補正では政党が力を合わせる必要がある。そのための政策合意を作らなければならないが、菅総理にはその後も政権を担当する気持ちが見える。菅政権では日本の危機は乗り越えられないという考えに変わりはなく、総理が自らの立ち位置を理解しないのであれば、あらゆる手段で菅政権の打倒を目指す。


司会 日本記者クラブ企画委員 神志名泰裕(NHK)


大島副総裁のホームページ

http://www.morry.jp/



会見リポート

菅首相の対応を厳しく追及

渡辺 勉 (朝日新聞政治エディター)

東日本大震災から1カ月たち、政局自粛のムードも薄れてきた。大島氏は被災地議員だけに菅首相への不信感は強く、批判の先陣を切った。


大島氏は、震災翌日に地元・八戸市を訪れ、津波被害の惨状を見て「慄然とした」という。集落だけではなく、臨海工業地帯や水産業、農業などの産業基盤をさらわれていたからだ。


被災地で一番必要なエネルギーを供給するため、石油連盟に要請し、物資補給のため、経団連に頼んで被災県との間にホットラインを作った。もし自民党政権だったら「素早く担当相を作り、1週間から10日間早く対応できたと思う」と語った。


こうした体験を踏まえ「被災者を救えるのは学者ではなく政治家」とし、菅政権に足りないのは①日本の力を集約するリーダーシップ②被災者の要求を吸い上げる現場力③原発以外のことも考える大局観、と指摘した。

政治は被災者に「安心、活力、希望」を与えるため、大胆な復興構想を掲げ、国が主体で取り組まなければならないと主張。「その覚悟が菅さんにありや、なしや」と問いかけた。


復旧にあてる1次補正には協力する考えを示したが、復興に向ける2次補正では政策合意が必要なため、「民主党との連立を模索した」と告白。しかし、「菅首相には難局を乗り切る気迫も覚悟も決意も見えない。そこに政治結集の最大の壁がある」という。さらに「菅首相は税制改革やTPPも絡めて(震災後も)大連立を維持して(自分が)首相でいいんだというにおいがするからダメだ」と切り捨てた。


自民党は民主党の一部と手を組み内閣不信任案を出すつもりなのか。


こう問われた大島氏は「この1カ月ぐらいで不信任や問責決議案を出す予定はない」としながらも、復旧・復興にめどがついても菅首相が続投する気なら「あらゆる手段で菅内閣を倒し、乗り越える政治力の結集を図ることが自民党の使命」と言い切った。


ゲスト / Guest

  • 大島理森 / Tadamori OOSHIMA

    日本 / Japan

    衆議院議員 (自民、青森) / The Liberal Democratic Party, Vice-President

研究テーマ:被災地議員 記者会見

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