2004年10月12日 00:00 〜 00:00
張瑞敏・ハイアールCEO

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会見リポート

日本から学んだ企業精神

岡田 晃 (テレビ東京解説委員)

中国の民間企業トップは当クラブのゲストで初めてである。中国経済への関心が高まっている時だけに、多くの会員、記者がつめかけた。

1984年、倒産寸前だったハイアールの工場長に就任した張瑞敏氏は、不良品の冷蔵庫を全従業員の前に並べハンマーで壊すというショック療法で経営を立て直した。その後、強いリーダーシップで意識改革と品質向上を推進し、ハイアールを中国最大の総合家電メーカーに成長させた。

中国経済の成長はめざましいものがあるが、ハイアールの歴史はその象徴と言えるだろう。その過程を描いた映画が「CEO」である。今回のもう一人のゲスト、映画監督の呉天明氏が張氏にほれ込み映画化したのだという。中国では大ヒットしたそうで、今年12月に日本でも公開される。

張氏は会見で、ハイアールの歴史を振り返りながら「日本企業から品質や技術だけでなく企業精神というものを学んだ。何事も、奮闘する精神が大事だ」と熱っぽく語ったのが印象的だった。内容にやや具体性が欠けるきらいはあったが、経営にかける強い意志と熱意は十分に伝わった。

ただ質問希望者を残したまま予定の時間がきてしまい、会見を終了せざるを得なかったのは残念だった。会見終了後も多くの記者が張氏を取り囲み、エレベーターホールまで移動しながら質問を続けていた。

ハイアールには課題もある。同社は冷蔵庫やエアコンなど白物家電が中心だが、デジタル家電などの分野は立ち遅れている。張氏はその点を率直に認めていたが、そうしたハイアールの課題は、同時に中国経済の課題でもあるといえる。

ゲスト / Guest

  • 張瑞敏 / Ruimin ZHANG

    ハイアールCEO / CEO, Haier

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