2016年09月02日 15:30 〜 17:00 10階ホール
民進党代表選立候補者 討論会

会見メモ

民進党代表選立候補者討論会 蓮舫議員/前原誠司議員/玉木雄一郎議員 2016.9.2
民進党代表選(9/15投開票)に立候補した蓮舫議員、前原誠司議員、玉木雄一郎議員が討論と記者との質疑応答を行った。
司会 播摩卓士 日本記者クラブ企画委員(TBS)
代表質問 川上高志(共同通信)、瀬口晴義(東京新聞)、竹田忠(NHK) ※いずれも日本記者クラブ企画委員


会見リポート

信頼回復へ、前途厳しい代表選

川上 高志 (企画委員 共同通信社論説副委員長)

巨大与党に圧倒的な議席数の差を付けられているとはいえ、与党がくみ尽くせない民意の受け皿を期待される野党第一党の党首選である。候補者の理念から個別政策まで深掘りする記者会見にしたいと臨んだ。

 

一騎打ちではなく、候補者が3人になったことで、それぞれの立ち位置がより鮮明になったのではないか。

 

優勢が予想される蓮舫代表代行は「全てのライフステージに信頼と安心を取り戻す」と述べたが、政策の具体性には乏しかった。岡田執行部の路線を引き継ぎながら、共産党との共闘に否定的な保守系からも支持を得るためか、蓮舫氏らしい舌鋒の鋭さは抑えていたように見えた。

 

前原誠司元外相は旧民主党政権時代の「戦犯」こそが信頼回復の先頭に立つべきだと強調。国民に税負担を求めて教育や社会保障を安定させる分配重視の政策構想を提示した。民主党代表時代から成長重視のイメージが強かった前原氏の転換は印象的だった。

 

玉木雄一郎国対副委員長には当選3回という若手らしい勢いがあった。未来に投資する「子ども国債」の発行という斬新な具体案は今後の議論の対象となろう。

 

今回の討論会は、国政選挙前の党首討論とはスタイルを変え、代表質問を先に行う方式をとった。各候補の理念や野党共闘、改憲論議への対応に加え、原発・エネルギー、天皇陛下の生前退位、待機児童問題などの個別課題に関しても、播摩企画委員の進行と、瀬口、竹田両企画委員によって質疑をより深めることができたと思う。

 

民進党の関門は、これらの政策構想の議論を尽くした上で新代表を選び、安倍政権に代わりうる選択肢として、民意を引き出すことができるかだ。3氏とも次の衆院選で政権交代を目指す考えを示したが、党の現状はまだ力不足だろう。

 

前原氏は来年の東京都議選で小池百合子知事主導の「新党」が生まれれば「民進党は席巻される」と指摘し、「今回の代表選が民進党のラストチャンス」と述べた。

 

危機感を党全体で共有し、結束できるのか。厳しい前途を感じる中での討論会だった。


ゲスト / Guest

  • 民進党代表選立候補者 蓮舫議員/前原誠司議員/玉木雄一郎議員

    日本 / Japan

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