2016年02月16日 15:00 〜 16:00 9階会見場
大関 琴奨菊関 会見

会見メモ

初場所で初優勝を果たした琴奨菊関が会見し、記者の質問に答えた。
司会 原田正隆 日本記者クラブ企画委員(西日本新聞)
佐渡ヶ嶽部屋


会見リポート

琴は「今に王になる字」 綱取りに意欲

泉 宏 (時事通信出身)

関取といえば口下手が通り相場だが、大相撲初場所で日本出身力士として10年ぶりに賜杯を抱いた大関・琴奨菊は雄弁だった。打てば響くように答える頭の回転の速さと巧みな表現力。控室では温顔に隠されたしたたかな勝負師の本音も吐露した。

 

まず「初場所での強さの理由」を問われると「世間が休むお正月に一番きつい稽古をして自信を持って土俵に上がれたこと」と即答。その上で「15日間の戦いは気力が大事」として「奥さんの支えと、毎日同じルーティンを続けさせてくれた若い衆のおかげ」と語った。初優勝後のフィーバーについては「予想を超える反応に戸惑った」と言いながらも、「いまこそ大相撲を発信するチャンス」と受け止め、取材には積極的に応じて自らをアピールしてきた。

 

初優勝に花を添えた美人妻の祐未さんについては「たくさん取り上げてくれるのはありがたいが、一般の人なのでこれからは私が壁になりたい」とほほ笑んだ。名門大学卒の帰国子女という祐未さんと結婚した直後の昨年7月場所では、大関陥落の大ピンチに立たされたが「本当につらい思いをさせた。今後は絶対に迷惑をかけないと誓った」という。

 

その時から始めた新たなトレーニング方法については「柔軟な球体のような身体をつくるため」とし、アンコ型の巨体を利したがぶり寄りも「相手との接地面積の大きさが圧力につながる」と理詰めの分析。売り物の立ち合い時の上体を大きくそらせる仕草については、会場のロイター通信の外国人女性記者にアドバイスを求めて「琴バウアー」と命名する機知も見せた。

 

3月場所には三代目若乃花以来18年ぶりの日本人横綱誕生への期待がかかるが、しこ名の「琴」について「今に王になるという字と先代親方(元横綱・琴桜)に教わった」と振り返り、「皆さんに勇気と感動を与えられるように自分のためにも頑張る」と意欲をにじませた。


ゲスト / Guest

  • 琴奨菊 / Kotoshogiku

    日本 / Japan

    大関 / Ozeki

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