2015年12月17日 14:00 〜 14:30 10階ホール
ケネディ 駐日米大使 記者会見

会見メモ

アメリカのケネディ大使が会見し、記者の質問に答えた。
司会 西村陽一 日本記者クラブ企画委員長(朝日新聞)
通訳 宮崎有美子、森万純(米国大使館)

冒頭スピーチテキスト和文(米国大使館HP)
冒頭スピーチテキスト英文(米国大使館HP)


会見リポート

父の言葉に込めた報道人への期待

小倉 孝保 (毎日新聞外信部長)

大使着任から2年と1カ月。記者クラブ会員としては待ちに待った会見となった。

 

知名度抜群の大使による初会見とあって出席者は約200人。会場後方には10台のテレビ・カメラが並び、関心の高さをうかがわせた。

 

ワンピース姿で登場したケネディ大使は最初に、この2年間の日米関係について、「最も良好」と述べるとともに、かつて敵国として戦った両国が70年後の今、和解を成し遂げたことを評価した。その後、質疑応答に移り、沖縄の米軍基地問題や環太平洋経済連携協定(TPP)、安倍晋三首相による戦後70年談話といった微妙な問題についても、そつなく対応した。

 

超多忙の大使であるため、会見予定時間は30分。結局、10分延長して終わったが、無理を承知で欲を言えば、もう少し質疑応答時間が取れれば、理解はより深まっただろう。

 

恒例のゲストブックに大使が書いたのは、父の故ケネディ大統領のこんな言葉だった。

 

「新聞は人々の行動の記録者、良心の守護者、そして、ニュースの運び手です。われわれはあなたたち新聞の力、助力に期待します。それがあることで、人間は生まれながらにして持っている目的、つまり自由と独立を達成できると確信しています」

 

これは1961年4月27日、ニューヨークのホテルで開かれた米国新聞発行者協会(当時)の年次夕食会でケネディ大統領が語った言葉である。報道に携わる者として肝に銘じたいメッセージだった。

 

最後に記者クラブから万年筆を贈られた大使は、さっそくキャップを外すと、左手でゲストブックに署名しようとしたが、インクが出ないアクシデントが発生。大使は万年筆を振りながら、「ここにサインするために、またこのクラブに戻ってきますよ」とユーモアで場を和ませ、笑顔で会場を後にした。


ゲスト / Guest

  • キャロライン・ケネディ / Caroline Kennedy

    アメリカ / USA

    駐日大使 / Ambassador to Japan

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