2015年11月27日 15:00 〜 16:30 10階ホール
「戦後70年 語る・問う」(39)市川雄一 公明党特別顧問

会見メモ

公明党の市川雄一特別顧問が「中道を考える~PKO協力法と公明党~」をテーマに話し、記者の質問に答えた。


会見リポート

時代に向き合う中道政党の苦悩

島田 敏男 (企画委員 NHK解説副委員長)

冷戦終結直後、永田町で最も悩んだ人だったのではないか。「55年体制のもとで模索した社公民路線で、果たして時代の要請に応えることができるのだろうか?」。これが当時の市川書記長の胸の内だったことが言葉の節々からにじみ出ていた。

 

1990年の湾岸危機から92年のPKO協力法成立にかけて、公明党が社公民から自公民へと大きく路線のかじを切ることで日本の政策決定が何とか進むという状況だった。

 

89年の参議院選挙で自民党がリクルート事件や消費税導入の影響で大敗し衆参ねじれ状態が生じ、期せずして公明党が参議院でキャスチングボートを握ることになった。中道を掲げる公明党にとって、批判があっても、どう振る舞えば時代の要請に沿うかが問われる局面だった。市川氏は「足して2で割るのが中道ではない」と指摘しつつ、当時の社会党が「一国平和主義」にしがみついていたことが自公民へと向かわせたと振り返った。そして、それがその後の政界再編の引き金にもなった。

 

会見で市川氏は、今の公明党に言及するのを慎重に避けていた。しかし私には「常に中道とは何かを考え悩む緊張感」を後輩たちに求めているように感じられた。


ゲスト / Guest

  • 市川雄一 / Yuichi Ichikawa

    日本 / Japan

    公明党特別顧問 / Special Advisor, KOMEITO

研究テーマ:戦後70年 語る・問う

研究会回数:38

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