2015年11月12日 15:00 〜 16:00 10階ホール
小倉和夫 日本財団パラリンピックサポートセンター理事長 会見

会見メモ

招致委員会評議会事務局総長として招致にかかわった経験をふまえ、2020年に向けてのパラリンピックの意義などをについて話し、記者の質問に答えた。
司会 川村晃司 日本記者クラブ企画委員(テレビ朝日)


会見リポート

パラリンピック 背景を理解してこそ

佐野 慎輔 (産経新聞特別記者)

フランス、韓国など大使を務めた元外交官の視点からパラリンピックの問題を切り出した。

 

「原点は実は戦争です。そこを意識せず、歴史の見方が十分でないまま、パラリンピックになっていった」ことも手伝って、「障害者、社会的弱者への視点のみで話す人が多い」。

 

小倉さんはそれが悪いと指摘したのではない。パラリンピックに関わる以上、背景まで意識しなければならないと考えている。

 

かつてパラリンピックの報道は社会面扱いだった。1998年長野冬季大会の前後からスポーツ面で扱うように変わってきた。小倉さんは、それを「進歩」と捉えつつ、疑問を呈する。

 

「障害者スポーツ報道は優しく愛をもってと遠慮があるのか、(エラーを)エラーと指摘する冷静な報道には今のところなっていない」

 

耳の痛い指摘である。人間ドラマは重要な要素ではあるが、一方でスポーツ報道は工夫や作戦、調整などを批判も交え伝えていく必要を思う。

 

2020年大会は「共生社会の実現」を目標に掲げる。同情心の強調ではない、背景も含めた理解から真の共生が生まれるのだと考えたい。


ゲスト / Guest

  • 小倉和夫 / Kazuo Ogura

    日本財団パラリンピックサポートセンター理事長(日本財団パラリンピック研究会代表)

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