2015年10月26日 10:30 〜 11:30 10階ホール
国連 児童の性的搾取に関する特別報告者 会見

会見メモ

国連の「子どもの売買、児童売春、児童ポルノ」に関する特別報告者を務めるマオド・ド・ブーア=ブキッキオ氏が、日本での初の調査を終えて会見し、記者の質問に答えた。
司会 土生修一 日本記者クラブ事務局長
通訳 池田薫(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

児童の性的搾取撲滅へ 課題は山積

野倉 早奈恵 (読売新聞生活部)

8日間にわたって東京、大阪、沖縄・那覇など日本各地で児童の性的搾取の状況について調査を行った。

 

冒頭、「法の規制対象ではないが、児童の性的搾取につながりかねない深刻な状況がある」と指摘。散歩と称して男性客とデートする「女子高生(JK)お散歩」や、児童に露出度の高い衣服を着せて撮影する「着エロ」を例に挙げ「こうした行為がビジネスとして成立している」と懸念した。

 

昨年の児童買春・児童ポルノ禁止法の改正で児童ポルノを個人的に所持、保管する「単純所持」が禁止されたことや、インターネットを通じて出回る画像や動画への対策については評価。ただ、被害者の支援については改善の余地があるとし、ケアにあたる施設の充実や、社会復帰のための中長期的な支援を行う体制の構築などを訴えた。

 

日本は児童の性的搾取をめぐる問題では常に、他の先進国から遅れをとっていると言われてきた。法改正により一歩前進かと思っていたが、会見では「児童の権利を侵害するような行為を日本の社会が容認している」と繰り返された。日本には、まだまだ課題が山積していると再認識した。


ゲスト / Guest

  • マオド・ド・ブーア=ブキッキオ / Maud de Boer-Buquicchio

    国連 / United Nations

    「子どもの売買、児童売春、児童ポルノ」に関する特別報告者 / Special Rapporteur on the sale of children, child prostitution and child pornography

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