2015年10月19日 15:00 〜 16:30 10階ホール
奥野長衛 JA全中会長 会見

会見メモ

JA全中(全国農業協同組合中央会)の奥野長衛会長が会見し、記者の質問に答えた。
司会 川村晃司 日本記者クラブ企画委員(テレビ朝日)


会見リポート

根っからの協同組合主義者

村田 泰夫 (朝日新聞出身)

TPP大筋合意や農協法改正にどう対応するのか。8月にJA全中の会長に選任され、日本記者クラブで初めて会見する奥野さんは、何を言うのだろう。目先の取材テーマを追いかける記者は、面食らったに違いない。

 

会見の大部分を「自己紹介」に費やしたからである。もちろん質疑応答ではきちんと目先の問題にも答えていた。三重県伊勢市出身で、農家の跡取りとして育った。関西大学で生活協同組合活動にのめり込み、協同組合とは何かを学んだ。

 

「協同組合とは、組合員と共に事業を展開するもの」。奥野さんの行動の原点であるこのことを会見で伝えたかったのだろう。農協は役職員のための組織ではなく、政治運動をする組織でもないという考え方は、ここから導き出される。

 

JA全中の会長選挙に立候補したのは、TPP反対運動で、数千人の大集会を開き政治家に圧力をかける運動に疑問を抱いたからだという。「どの政権とも対決するつもりはない。対話でしか、ものごとは前に進まないからだ」

 

語り口は穏やかだが、長い協同組合活動で培った芯の強さを感じさせる爽やかな会見だった。


ゲスト / Guest

  • 奥野長衛 / Choe Okuno

    日本 / Japan

    JA全中会長 / President, JA-ZENCHU (Central Union of Agricultural Co-operatives)

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