2015年10月14日 16:00 〜 17:30 10階ホール
研究会「オランダの労働市場改革に学ぶ」バルケネンデ オランダ元首相ほか

会見メモ

バルケネンデ オランダ元首相、ムンツ 国際人材派遣事業団体連合(CIETT)会長、村上由美子 OECD東京センター所長の3氏が、オランダの労働市場改革について日本との比較をまじえて話し、記者の質問に答えた。
司会 実哲也 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)
通訳 長井鞠子、佐藤雅子(サイマル・インターナショナル)
写真左から 村上氏、ムンツ氏、バルケネンデ氏


会見リポート

改革から逃げない勇気求める

実 哲也 (企画委員 日本経済新聞論説副委員長)

日本ではパートなどで働く非正規社員の比率が高まり、雇用の不安定化が問題になっている。だが、非正規比率が日本より高いオランダではそれを問題視する声はほとんどないようだ。違いはどこにあるのか。欧州の大手人材サービス会社、ランスタッドの幹部であるムンツ氏は、賃金や年金などの待遇面で差別がないことや、社会的にも非正規労働者の地位は低いというイメージが薄い点を挙げた。非正規雇用が女性の就業率向上に有効な道筋と受け止められていることもあるようだ。

 

非正規の増加も含む「柔軟な労働市場」は、世界の変化に即応して経済を強くし、雇用を創出するうえでも重要だと強調したのは、オランダのバルケネンデ元首相だ。首相在任中に社会保障・雇用改革を主導した経験を率直に語ってくれた。働く意欲を阻害する給付の削減など痛みも伴う改革を実施した。政治家に必要なのは問題から逃げない勇気と改革の必要性を丁寧に説明する努力だと訴えた。日本の政治家に最も求められる点だろう。


ゲスト / Guest

  • ヤン・ペーター・バルケネンデ オランダ元首相 / アンネマリー・ムンツ 国際人材派遣事業団体連合(CIETT)会長 / 村上由美子 OECD東京センター所長 / Jan Peter Balkenende, former Prime Minister of the Netherlands / Annemarie Muntz, Director, Group Public Affairs, Randstad Holding / Yumiko Murakami, Head of the OECD Tokyo Center

研究テーマ:オランダの労働市場改革に学ぶ

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