2015年09月29日 14:00 〜 15:30 9階会見場
早川浩 早川書房社長 「戦後70年 語る・問う」(32)エラリイ・クイーンからサンデル教授まで

会見メモ

ミステリー、SFを中心に多くの海外文学を扱ってきた早川書房の早川浩社長が会見し、記者の質問に答えた。
司会 川村晃司 日本記者クラブ企画委員(テレビ朝日)


会見リポート

「長く読み継がれる作品を発掘したい」

権田 萬治 (日本新聞協会出身)

早川書房(1945年創業)は、53年に発刊された海外の優れたミステリーを翻訳紹介する叢書ハヤカワ・ポケット・ミステリや、56年7月に創刊された月刊のエラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジンで多くのミステリー・ファンに親しまれてきた。

 

父を継ぐ2代目の早川浩氏は同社入社以来、米コロンビア大学で培った見事な語学力を生かしてマクベイン、アーサー・C・クラーク、ロアルド・ダール、マイクル・クライトン、ル・カレをはじめ数多くの優れた作家やエージェントと交流を深め、その信頼を得て魅力的な作品の翻訳権を次々と獲得していく。その一つ一つが生々しい体験として多彩なエピソードとともに語られ、興味深かった。

 

同社のドル箱はクリスティー、チャンドラーなど古典的な名作のロングセラーだが、今後はさらに幅広い分野で長く感動と喜びを与える作品を発掘したいと意欲を燃やす。一方、海外、特にニューヨークでは、作家が作家同士の激しい競争とエージェントの厳しい選別を経て成長していくのに対して、日本はその点がやや甘いので、編集者も勉強して優れた原石を見事な宝石に磨き上げる努力が必要では、と指摘していたのが印象的だった。


ゲスト / Guest

  • 早川浩 / Hiroshi Hayakawa

    日本 / Japan

    早川書房社長 / President, Hayakawa Publishing , Inc.

研究テーマ:戦後70年 語る・問う

研究会回数:32

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