会見リポート
2015年09月15日
15:00 〜 16:30
9階会見場
丹羽宇一郎 日中友好協会会長 会見
会見メモ
駐中国大使を務めた丹羽宇一郎 日中友好協会会長が会見し、記者の質問に答えた。
司会 坂東賢治 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)
会見リポート
「民が動かす」これからの日中関係
藤田 水美 (フジテレビ政治部)
「薄氷を踏む思いで考え、行動してきた」。日中関係について丹羽氏はこう静かに話し出した。
2010年、在中国日本大使館に初めての民間出身大使として迎えられ、12年までの2年半。丹羽大使の仕事ぶりを、私は北京特派員として取材した。その2年半は、中国漁船衝突事件に幕を開け尖閣国有化と反日デモに終わる、まさに激動の時期だった。
特に、12年夏には反日の機運が高まる北京の街角で、走行中の大使の公用車が、2台の車に行く手を阻まれ、掲げていた日本国旗が奪い取られるという、屈辱的な経験をした。
日中関係の難しさを体感した丹羽氏が行きついた結論が、会見で強調した「官が、政を民を動かすのは難しい」「民が動かす」なのかもしれない。
17年、日本と中国は国交正常化45周年を迎える。「368ある日中の姉妹都市関係を生かして民間主導のイベントを企画したい」。丹羽氏は両首脳が出席する式典を東京と北京で開催する構想についても説明し、「余命2~3年くらいは生き永らえて貢献したいと思う」。こう締めくくった。
12年、反日デモで国交正常化40周年のイベントの大半がキャンセルになった経験を乗り越え、リベンジを誓う言葉には「気迫」がにじんでいた。
ゲスト / Guest
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丹羽宇一郎 / Uichiro Niwa
日本 / Japan
日中友好協会会長 / Former Japanese ambassador to China / Chairman of Japan-China Friendship Association