2015年09月07日 15:00 〜 16:15 10階ホール
OECDコーポレート・ガバナンス原則改定についての会見

会見メモ

9月に改定されたコーポレート・ガバナンス原則について玉木林太郎OECD事務次長が話し、記者の質問に答えた。
司会 杉尾秀哉 日本記者クラブ企画委員(TBSテレビ)


会見リポート

ガバナンス議論の世界的潮流

井町 知致 (時事通信経済部)

演題は経済協力開発機構(OECD)コーポレートガバナンス原則の改定。2011年に財務官からOECD事務次長に転じて以来5回目の登壇は、期せずしてガバナンス不全に揺れる東芝の決算会見直前という絶好のタイミングになった。

 

東芝の記者会見では、室町正志社長が新しい経営体制について「(仏作って)魂を入れずということにならないよう最大限の努力をしたい」と表明した。玉木氏もガバナンス体制が適切に機能するには「スピリッツが入るための不断の努力が必要」と語ったが、東芝に関しては「経営者のモラルの問題」とガバナンス以前の問題だと切り捨てた。

 

玉木氏がむしろ強調したのは、仏に魂が入っていることを所与とした、その先にあるガバナンスの議論だ。目まぐるしく変化する世界的な金融の潮流の中では、「完成度の高い」と評された日本のガバナンス原則が陳腐化する危険性を常に意識しておく必要があると感じた。

 

興味を引いたのは、株主だけでなく社債保有権者をガバナンスの議論にどう位置付けていくかという話。社債市場の活性化をめざす日本の市場関係者にとって今後重要なテーマになりそうだ。


ゲスト / Guest

  • 玉木林太郎 / Rintaro Tamaki

    OECD事務次長 / Deputy Secretary-General, OECD

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