2015年09月02日 14:00 〜 15:30 10階ホール
山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 「TPP」②

会見メモ

『日本農業は世界に勝てる』などの著書がある山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹が「TPPと日本経済」というテーマで話し、記者の質問に答えた。
司会 杉尾秀哉 日本記者クラブ企画委員(TBS)


会見リポート

農業、TPPで輸出に活路

堀 義男 (時事通信編集局専任局長)

環太平洋経済連携協定(TPP)が合意か漂流かの瀬戸際を迎えたタイミングでの登壇。日本農業の一層の衰退を防ぐため、TPPによる農産物貿易自由化や農業政策の抜本見直しの必要性を訴えた。

 

TPP交渉の行方については、9月内に大筋合意できない場合は漂流の恐れがあると指摘。オバマ米大統領のリーダーシップ発揮に期待を込めた。仮に漂流となればTPPを重要施策と位置付ける安倍政権への打撃も「相当ある」との見立てだ。

 

コメなどへの関税撤廃を拒む日本の交渉スタンスに関しては「TPPをレベルの低い交渉にしたのは日本の農業界だ」「(コメなど重要5品目の関税維持を求めた)衆参農林水産委員会決議にとらわれることはなかった」と切り捨てた。

 

TPP推進の論拠の1つとして、高関税で守ってきた国内農産物市場は人口減少で縮小が避けられず、農業も海外に活路を求めなければならないと分析。それには相手国の関税を引き下げられるTPPが必要だと説いた。併せて、減反や高関税でコメなどの国内価格維持を図る政策から、農家を直接補助する政策に切り替えることで、農業の構造改革に踏み出すよう強く促した。


ゲスト / Guest

  • 山下一仁 / Kazuhito Yamashita

    日本 / Japan

    キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 / Research Director of The Canon institute for global studies

研究テーマ:TPP

研究会回数:2

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