2015年08月24日 14:00 〜 15:00 9階会見場
海老原嗣生 雇用ジャーナリスト 研究会「新就活ルール」

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会見リポート

就活の後ろ倒しは「愚策」とバッサリ

石鍋 仁美 (日本経済新聞編集委員兼論説委員)

長引く学生たちの就職活動を是正しようと、経団連が説明会や面接のスケジュールを前年より大きく後ろ倒しした今年の就職戦線。この変更を、就活事情を長年ウオッチしてきた経験から「天下の愚策」とばっさり斬って捨てた。

 

就活のスタートとなるインターンシップはこれまで通り大学3年の夏から始まるため、就活全体は逆に長期化した。しかし問題の要はそこではない。ネット経由で企業へのアプローチが可能な近年の就活では、一握りの難関大学生だけではなく「普通の学生」たちも最初は超人気企業に挑む。大手が全滅すれば準大手へ。その後ようやく未知の中堅中小企業へと目を向け始めるそうだ。

 

この方向転換に例年、数カ月かかるという。大手の内定出しが8月までずれこんだ分、気持ちの切り替えが遅れ、卒業前に就職先が決まらない学生が昨年より増えるのではないかと危惧する。

 

スケジュールがどうであれ、大手企業はトップ人材を確保できる。有名大学の学生も相応のところに落ち着く。「就活をめぐる議論は、ボリュームゾーンの学生と中小企業とをどう結び付けるかに軸足を移すべき」との持論には説得力がある。


ゲスト / Guest

  • 海老原嗣生

    雇用ジャーナリスト

研究テーマ:新就活ルール

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