2015年07月22日 14:30 〜 16:00 10階ホール
森喜朗 東京オリンピック・パラリンピック組織委会長

会見メモ

2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が会見し、記者の質問に答えた。
司会 島田敏男 日本記者クラブ企画委員(NHK)
TOKYO2020 HP


会見リポート

責任は全体で負わなきゃならん

佐野 慎輔 (産経新聞特別記者)

〝時の人〟の登場に、場内は立ち見もでた。会見5日前に安倍晋三首相が新国立競技場計画案を「白紙撤回」したばかりである。

 

「申し込みのあったときは、こんなことになるとは夢にも考えていなかった」

 

冒頭、事態の急転ぶりを話した。月末に国際オリンピック委員会(IOC)クアラルンプール総会での説明を控え、嘆き節を披露せざるを得なかったのかもしれない。

 

「大変迷惑している。新国立競技場は組織委員会がつくるわけでもなければ、こうしてくれ、ああしてくれと言ったわけでもない。つくるのは国、そして都が協力する…」

 

確かに森会長の話すとおり、国が競技場を建設し、組織委員会は使い運営していく立場に過ぎない。

 

しかし、一般の人々の思いは異なる。2020年大会開催に向けた新国立競技場建設に組織委員会が関与しないはずはない、当初予算の1300億円が2520億円にまで膨らんだ背景に何か動きがあったと考えたとしても不思議ではない。

 

「オリンピックは大変なお金がかかる」で済ましていいものか。

 

前年開催のラグビーのワールドカップも問題を複雑化した。森会長は日本ラグビー協会前会長である。

 

明確な説明もせずに主導した文部科学省、日本スポーツ振興センター(JSC)の責任は免れ得ない。森会長も「JSCや文部科学省が扱う素材ではなかった」と話す。責任を問う質問には、「どこに責任があるかを言うのは難しい。全体で負わなきゃならんことだと思う」。

 

一方で、ラグビーを引き合いにして「ワン・フォア・オール」「オール・フォア・ワン」と今後の在り方を説いた。大会開会まで5年を切り、残された時間は多くはない。

 

「オールジャパン体制」で招致決定当時の高揚感を取り戻し、祝福される大会にしていく責務がある。要としての森会長の役割は大きい。


ゲスト / Guest

  • 森喜朗 / Yoshiro Mori

    日本 / Japan

    東京オリンピック・パラリンピック組織委会長 / President, The Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games

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