2015年06月19日 11:00 〜 12:00 10階ホール
サマラウィーラ スリランカ外相 会見

会見メモ

1月に発足したシリセーナ政権のサマラウィーラ外相が、日本との経済協力や周辺諸国との会見について話し、記者の質問に答えた。
司会 土生修一 日本記者クラブ事務局長
通訳 澄田美都子(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

豪腕の前大統領とは決別 小国のバランス感覚ちらり

竹内 幸史 (朝日新聞出身)

10年にわたって強権政治を進めたラジャパクサ前大統領のもとでも2年間、外相を務めた。だが、同氏とたもとを分かって政権を離れ、新党を結成するなど激しい権力闘争を生き抜いてきた。

 

再び外相に就任したのは、今年1月の大統領選で野党候補のシリセナ氏を担ぎ、ラジャパクサ氏に競り勝ったからだ。多くの予想を覆し、無血のうちに獲得した勝利を「レインボー革命」と呼び、政権交代のモデルになると、誇らしげだった。

 

前政権が積み残した外交課題は山積みだ。内戦中に起きた国軍などの人権侵害が米欧から批判され、国際社会で孤立してきた。「過去、遠ざけて来た多くの国との関係を回復したい」と述べた。

 

対照的に蜜月関係を築いたのが中国だった。ところが、新政権は中国偏重の外交方針を見直し、日本やインドを重視する方針を示したため、ミャンマーに次ぐ「中国離れ現象」として注目された。

 

これについて問うと、「中国が進める大型プロジェクトは見直すが、対中関係自体を見直すわけでない」と慎重な答えだった。昨秋、中国の潜水艦がコロンボに寄港した報道については、返答を避けた。小国のバランス感覚がにじむ会見だった。


ゲスト / Guest

  • マンガラ・サマラウィーラ / Mangala Samaraweera

    スリランカ / Sri Lanka

    外相 / Foreign Minister

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