2015年06月18日 15:30 〜 16:30 9階会見場
「沖縄から考える」⑤ 長元朝浩 沖縄タイムス専任論説委員

会見メモ

沖縄タイムスの長元氏が「なぜ沖縄の声は届かないのか」と題して沖縄の現状について話し、記者の質問に答えた。
司会 軽部謙介 日本記者クラブ企画委員(時事通信)


会見リポート

「保守の変化」で仲介役不在

土生 修一 (日本記者クラブ事務局長)

「辺野古問題は、日本政府と沖縄県だけでなく、メディア内部でも対立が深まっている。しかも両者がまったくかみ合っていない。こんなことは40年の記者生活で初めて」と現状を嘆く。

 

なぜこんなことになったのか。

 

その理由の1つが、翁長知事に代表される沖縄の保守政治家の変化だ。

 

これまで沖縄の保守政治家は、日本政府と基地反対の沖縄革新陣営との間に立って緩衝材になり、時に仲介役になっていた。しかし今回は保守が革新と一緒に行動するようになり、本土と沖縄は緩衝材なしでぶつかり合うようになった、と分析する。「自民党政府にはこの保守の変化が『裏切り者』にみえるのか、かつての革新知事より反応が冷たい」

 

また、米国の対日政策に影響力を持つアーミテージ氏が「辺野古にかわるプランを考えなくては」と思い始めた時に仲井真前知事が承認してしまった、と残念がった。

 

「現状で工事を強行すれば、日米両政府、沖縄の三者にとってよくない」としたうえで、「本物の対話が成立するには、ジャーナリストや経済人の役割が重要」と締めくくった。


ゲスト / Guest

  • 長元朝浩 / Tomohiro Nagamoto

    日本 / Japan

    沖縄タイムス専任論説委員 / Editorial Writer, Okinawa Times

研究テーマ:沖縄から考える

研究会回数:5

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