2015年06月22日 15:00 〜 16:30 10階ホール
「戦後70年 語る・問う」21 アンドルー・ゴードン 米ハーバード大学教授

会見メモ

アンドルー・ゴードン氏が、現在の研究テーマである「高度成長期からポストバブル期の日本」と題して話した。また、世界の日本研究者らが出した「日本の歴史家を支持する声明」署名者の一人として、その意味を説明した。
司会 中井良則 日本記者クラブ専務理事


会見リポート

非正規と女性に不利な新二重構造

船津 靖 (共同通信編集・論説委員)

初来日は高校生だった1969年。「日本社会のエネルギーと楽観主義」に圧倒されて日本型経営や雇用の研究へ。主著『日本の200年』などで著名な日本近代史家になったゴードン教授の今の関心は「失われた20年」だ。

 

大企業と零細企業というかつての規模による二重構造に代わり、正規と非正規の雇用形態による新二重構造が現れていると分析。その中で女性が差別的な立場に置かれていることを、統計のグラフを示しながら日本語でわかりやすく説明した。日本政府がフリーターを「15~34歳の男性と未婚女性」と男女を区別して定義しているのを知ったとき「信じられなかった」と言う。同様の感想を持つ日本人も多いだろう。

 

質疑は「声明」に集中した。日本の報道で欧米の日本研究者の声明が大きく取り上げられたのに比して、日本の歴史研究者の声明があまり報じられない状況に苦言を呈した。終始穏やかな語り口だったが、安倍首相が米紙などに「歴史修正主義者」と呼ばれたことについては、侵略の定義がわからないから侵略したかどうか言えない、と国会で答弁するのでは、「修正主義者と呼ぶのが妥当」とはっきり言い切った。


ゲスト / Guest

  • アンドルー・ゴードン / Andrew Gordon

    アメリカ / USA

    米ハーバード大学教授 / Professor , Harvard University

研究テーマ:戦後70年 語る・問う

研究会回数:21

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