2015年06月11日 15:00 〜 16:30 9階会見場
馬立誠 元人民日報論説委員 「中国とどうつきあうか」⑬

会見メモ


会見リポート

日中は絶対に戦ってはならない

辻 康吾 (毎日新聞出身)

2002年、「対日新思考」を発表、日本はすでに謝罪した、今後は和解と協力を進めるべきで、そのためには両国の過激な民族主義を抑制すべきであると論じ、注目を集めた馬立誠氏のこの信念は今なお揺らいでいない。最近になって中国の対日姿勢に多少の緩和の兆しもみえるが、中国周辺ではなお緊張が続く中で、中日両国は絶対に武力を行使してはならないと馬氏は強調し、次のように語った。

 

――毛沢東をはじめ歴代の中国指導者は中日の友好の重要性を強調してきた。中日両国は戦わないというより、戦えないというのが現実であるのに、なぜ緊張が高まるのか。国際関係の大変動の中で指導者が民族主義を利用して国内の団結を図り、またメディアも大衆を煽動しているためである。日本と比べ中国社会は未成熟であり、過激な言動が多い。しかし中国でも冷静、理性的な知識人、起業家など中産階級が増えている。最近の中国人の日本観光ブームで人々の日本観は変化しつつある。私の「対日新思考」を支持してくれる人は確実に増えている。両国は忍耐強く寛容と理性をもって和解への道を進むべきである。安倍首相の70周年談話では謝罪は不要だが、その歴史観を明らかにしてほしい――。


ゲスト / Guest

  • 馬立誠 / Ma Licheng

    中国 / China

    元人民日報論説委員 / former editorial writer, People's Daily(China)

研究テーマ:中国とどうつきあうか

研究会回数:13

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